「照魔の鏡」という お話をしましょう。
照魔の鏡っていうのはね 生まれてから死ぬまでの 人間の一生をうつす鏡のことなんですよ。
さあ この鏡はどこにあるんでしょう。
いつ見ることができるんでしょう。
では お話を始めましょうね。

そのお祈りが 通じたのか ある日 正直ばあさんは 眠るように まったく苦しまずに ぽっくりとなくなりました。
けれども 息子たちは おばあさんがなくなってしまったので 悲しくて 「えんえん。」とないています。
すると どうでしょう。息子たちには見えませんが おばあさんの霊体は おばあさんの体からはなれて スルスルスルーッと 空に向かって飛んで行きました。

気がつくと おばあさんは 川のほとりに来ていました。 川の向こう側には きれいなきれいな菜の花畑があります。
この川は 「三途の川」というところです。
この川を渡ると もう この世の人ではなくなり あの世の人になるんです。
さあ きれいなきれいな川が キラキラかがやいています。

おばあさんは 「あの菜の花畑に行きたいなあ。」と思いました。
すると スーッとおばあさんの体がうきあがり 川があるのに まるで川の上を飛んでいるように スルスルスルッと 川をわたってしまいました。
水があったのに ちっともぬれていません。 不思議です。

すると 菜の花畑の向こうで 手を振っている人がいます。
それは なつかしいなつかしいおじいさんでした。
「ばあさんやあ よう来たなあ。 天国はええとこじゃぞう。 おまえさんが来るのを ずうっと待っていたぞう。 よう来たなあ よう来たなあ。」
おばあさんは なつかしいおじいさんに 会うことができました。
「それでは ばあさんや。 これから この世界に来た者たちが いちばん最初に行くところに 連れていってあげよう。 おまえさんなら だいじょうぶだよ。」
と言って おじいさんは おばあさんをお寺に連れていきました。

