くさぶえ の ね

すると おとこのこは くさのはを いちまい とりだして くさぶえを ふきはじめました。

「ぴいひょろ ぴいひょろ」
おおおとこは そのおとをきいて なんともいえない きもちになりました。
「なんだろう このうつくしい ねいろは。
ああーっ なつかしい。
おれは どこかで このねいろを きいたようなきがするぞ。
どこかで きいたおぼえが あるぞ」

じつは そのははおやは みぬいていたのです。
むかし このおおおとこは あるわかものに つかえていました。
そのわかものは とてもじょうずに ふえをふいては おおおとこのこころを いつもいつも
なだめていたのです。
それで おおおとこは ながいあいだ きいたことのなかった ねいろを ちいさなおとこのこのくさぶえをきいて おもいだしたのでした。
そして じぶんがいままで やってきたことを ふと ふりかえりました。

すると めから おおつぶのなみだが はらはら ぽたぽたと おちてきました。
