[ハートフルライフカウンセラー学院・学院長] 石川千鶴【公認心理師・キャリアコンサルタント】
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9月になって疲れが出ていませんか?「9月病」を和らげる認知行動療法とセルフケア

9月に入ってから、

「なんとなく身体がだるい」
「朝、起きるのがつらい」
「やる気が出ない」
「集中力が続かない」
「気分が落ち込みやすい」

そんな変化を感じていませんか?

 

暑い夏を乗り越え、

少し過ごしやすくなってきたはずなのに、

なぜか心も身体も疲れている。

 

 

夏の終わりから秋口にかけて、

このような心身の不調が現れることがあります。

 

一般に「9月病」と呼ばれることもありますが、

9月病は医学的な正式名称ではありません。

 

夏の暑さによる疲労の蓄積に加えて、

寒暖差や日照時間の変化、睡眠や生活リズムの乱れ、

仕事や学校が本格的に動き始めることによる心理的な負担など、

さまざまな要因が重なって起こる心身の不調を表す言葉として

使われています。

 

では、この時期を少し楽に過ごすためには、どうすればよいのでしょうか。

そこで活用したいのが、認知行動療法(CBT)の考え方です。

🌿「疲れているのに頑張らなければ」が負担を大きくする

9月は、身体に夏の疲れが残っている一方で、

生活は通常のペースへ戻っていきます。

 

そんなとき、

「休んだのだから頑張らなければ」

「早くいつものペースに戻さなければ」

「みんな普通にできているのだから、私もできなければ」

と思ってしまうことがあります。

 

身体は「少し休みたい」と伝えている。

 

それなのに、頭では「もっと頑張らなければ」と自分を急かしている。

このズレが、心身の負担をさらに大きくすることがあります。

🌿認知行動療法では「考え方」と「行動」に目を向ける

認知行動療法では、

認知(考え方)・感情・身体反応・行動

は互いに影響し合っていると考えます。

たとえば、朝起きたときに身体が重かったとします。

 

そこで、

「こんなに疲れているなんてダメだ」
「今日は何もできそうにない」

と考えると、焦りや落ち込みが強くなり、

さらに動きにくくなることがあります。

 

一方で、

「夏の疲れが残っているのかもしれない」
「今日は大切なことからやろう」

と考えれば、同じ疲労感があっても、

その後の気持ちや行動は変わってきます。

 

認知行動療法は、何でもポジティブに考える方法ではありません。

 

今の自分の状態を客観的に捉えて、

自分を助ける考え方や行動を選んでいく方法です。

🌿9月に取り入れたい5つのセルフケア

① 今の自分の状態を観察する

まずは、

「いつ疲れを感じるのか」
「どんなときに気分が落ちるのか」
「そのとき何を考えているのか」

を観察してみましょう。

 

すぐに解決しようとしなくても大丈夫です。

自分の心と身体に何が起きているのかを知ることが、

セルフケアの第一歩です。

② 「~しなければ」に気づく

疲れているときほど、

「頑張らなければ」
「休んではいけない」
「全部やらなければ」

という考えに縛られることがあります。

 

そんなときは、

「本当に全部、今日やる必要がある?」

と自分に問いかけてみてください。

 

「全部やらなければ」を、

「今日は大切なものからやろう」

に変えるだけでも、心の負担は変わってきます。

③ やることを小さくする

「部屋を片づける」ではなく、

「机の上を5分だけ片づける」。

「運動する」ではなく、

「10分だけ歩いてみる」。

「仕事を終わらせる」ではなく、

「まずメールを1通返す」。

 

やる気が出るまで待つのではなく、

できるくらいまで行動を小さくすることが

ポイントです。

 

小さく動くことで、「できた」という感覚が生まれ、

次の行動につながりやすくなります。

④ 朝・昼・夜のリズムを意識する

季節の変わり目には、身体のリズムを整えることも大切です。

朝は光を浴びる。
昼は適度に身体を動かす。
夜は身体を休息モードへ切り替える。

毎日完璧に行う必要はありません。

 

起床時間を大きくずらさない、少し散歩する、

入浴やストレッチで身体を緩める。

 

そんな小さな習慣が、生活リズムを整える助けになります。

⑤ 「休むこと」も予定に入れる

予定表が、

仕事、家事、勉強、用事……

だけになっていませんか?

休息は「時間が余ったらするもの」ではありません。

 

「10分散歩する」
「好きな音楽を聴く」
「ゆっくりお茶を飲む」
「何もしない時間をつくる」

こうした自分を回復させる時間も、

予定の一つとして考えてみましょう。

 

🌿9月は「自分を整え直す季節」に

認知行動療法を学ぶ大きなメリットの一つは、

自分の心の動きに気づけるようになることです。

 

「私は疲れると、完璧を求めやすい」

「忙しくなると、休むことを後回しにする」

「不安になると、まだ起きていないことまで悪く考えてしまう」

 

そんな自分の傾向に気づくことができれば、

「あ、またこの考え方が出ているな」

と、一歩離れて自分を見ることができます。

そして、別の考え方や行動を選べるようになります。

9月になって調子が上がらないとき、

無理に「元の自分」に戻そうとしなくてもよいのです。

 

「今の自分には、どんなケアが必要だろう?」

と考えてみてください。

 

夏から秋へ季節が変わるように、私たちの心と身体も変化します。

 

9月を、夏の疲れを我慢する季節ではなく、

自分の心と身体を見つめ、自分を整え直す季節に

してみてはいかがでしょうか。

 

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