長男

昨日入社式だった


とうとう社会人かぁ

都会暮らしが始まったのかぁ

すぐには慣れないだろうけど

口癖じゃないけど

無理だと思ったらとっとと帰ってこいって 

言ってる



3月の終わり

朝食後

注文の品をおもむろに縫い始めたときだった

あっ3月終わっちゃう行かなきゃ!

とっさにそう思ったのは

友人の息子さんのことだ

日にちはわからなかったけれど

旅立ってしまった辛く悲しい3月を

友人はどんな気持ちで迎えるだろうと

ずっと思い続けていたが、

長男が発熱、そのあと私もなぞに嘔吐と発熱で数日寝込みそれから上京準備でバタバタしているうちに月末になってしまった


でも神様が今日行きなさいとでも言うかのように本当に行かなきゃって思った

ダンナに話して

夕方いつものところじゃない

(面倒くさそうな顔をされたからやめた)

花屋さんに行き頼んだら20分くらいで

供えるお花を用意してくれた

なんとなく言ったのに

センス良すぎてありがたかった

地味すぎず明るすぎず

優しい雰囲気にまとめてくれた

待っている間に菓子折りも選んで

友人宅へ


あいにく留守だったけど

お義母さんに渡して帰った

初めてお会いしたけど優しそうな白髪の華奢な人だった

孫のためにわざわざすみませんね

わかっていてもその言葉が現実味を増して突き刺さった


喪中はがきが届いた一昨年から

私の人生も全く違うものになった

心が暴れ出してものすごい怒りで頭に血がのぼってどうにも抑えられなかった日が何日も続いた

そうしながも

去年友人たちの集まりで久々に会ったとき

不甲斐ない自分に腹が立ち

家では泣いてばかりで

それでいて何もできない、というか

怖かったと思う

何をしても何を言っても何のなぐさめにも

力にもならないと思ってきた

でもそう思うことが言い訳みたいで

それもまた情けなくて

もがいていた


でも何もできないのに

何かできるんじゃないかって思ってる自分の

傲慢さに気がつきはじめた


そうじゃないんだって

何もできない

できないからこそ祈らなきゃって

毎日毎日祈った

友人には生きてほしくて


その思いだけでいいから

行こうってやっと思えた

私が後悔したくないからっていう自己中なものであっても逃げるよりはいい気がしていた

その先は友人がどう受け止めるかなんだけど

それがずっと怖かった


友人からLINEが届き受け取ったことを知った

短いやりとりでも心は落ち着いた

前向きな言葉を聞けたこと

そして命日が前日だったと知り

タイミングは間違ってなかったなと思った


友人にとってもこれからまだ越えなきゃならないことがたくさんあるだろう

そして私も…

このことは決して他人事じゃない

向き合わなければならないことがある

避けられない辛いこと悲しいことは 

いつどんなかたちでやってくるかわからないけれど

生きる選択が出来る自分でありたい

自信はないけど



子どもたちには言ってる

辛かったら帰ってきて!

いいのよ会社であれ学校であれ

やめたきゃやめても

私は命を守りたいだけなの

生きてて欲しいの

じゃないと弱い私は生きれない

強い母親も世の中にはたくさんいるだろう

母は強しなんていうけど

私は弱い母親だよ

怖がりでさみしがりやの泣き虫で

心配性で世間知らずで

それなのに3人も神様が私に預けたんだから

まぁ頑張んなさいやれるからってことだと

信じてやってるんだけどね



新生活はいつだって不安はつきものだけど

心から応援してる

それから一歩踏み出した友人に感謝して

私も一歩踏み出すよ