SHIZUKA(1)
毎日同じことの繰り返し。 朝起きてはコンビニへ通い、8時間労働が終われば次の職場へご飯を食べながら少しの時間も休む暇なく仕事場へ急ぐ。 24時間のうち働いてる時間は3分の2以上といっても過言ではない。 何時過労死してもおかしくないと私は思ってる。 この頃、私の体は疲れ切っていたがそれだけではない。もう人生に疲れていたんだ_____ 〈AM6:00〉こんな時間に家に帰るのは当たり前だ。 寧ろ朝帰りしない方が違和感を感じてしまうそんな典型的な仕事ボディになっていた。鍵を開けると頭痛がするような甘ったるい匂いで一瞬疲れ切った体がぐらんと揺れて倒れそうになる。 「この匂い……」急いでふすまのある部屋へ靴も脱がずに急ぐ。 勢いよく開けるとベッドに寄り添いあって眠る二人の男女。『ん…朝から騒がしいよもっと静かにやってくれないかな』 上半身裸で隣で目を擦ってバカげた発言をするこいつは私の弟の徹平だった。 勿論、その隣で寝ているのは体の関係でも持ったのであろう下着姿で気持ち良さそうに寝ている女。 「…あのね、ここはラブホテルじゃないの」 『わかってるよ、ホテルで金払って泊まれるくらいの金も持ってないだから自宅にしたの』 「そろそろふざけるのもいい加減にしてくれるかな」『ふざけて無いよ俺は俺の人生を楽しんでるだけ。』「あんたバイトしてたよね」『ああ、コンビニね。店長がうざくてこの間辞めたよ』「は?ふざけないで、私はあんたと糞親父を養うために働いてるんじゃないのよ」『でも今はそうするしかないでしょ親父は定年退職だし俺は浪人生でバイトしてないし』 「定年退職だろうが働き続けるチャンスはあったのに辞めたのはあの親父よ?あんたは働こうと思えばいつでも働けるし」『まあまあ、あ、そうだ。昼飯代無いからさ、そこに1000円だけ置いてってくんない?』「は?」『お願い!ね?』手を合わせてニコニコしながら強請る徹平。「いい加減にしなさいよっ……!!!」鞄を徹平に投げつけると隣で寝ていた女が起きる。「んん…痛いよ徹平」女が目を覚ましたのか寝ぼけた発言をする。キッチンへ向かい包丁を手に持つと徹平の部屋へ行って二人に向ける。 「きゃっ、ちょっと徹平誰よこの女…!?」 「10秒以内に荷物まとめて出てったら見逃してやる」『ちょ、姉貴っ…あ、さやちゃん大丈夫だからね?俺の姉貴だから』「10…」「ちょっと何よ殺すつもり!?!?犯罪よ、訴えるわよ、けけ、警察呼ぶわよ!?」「警察呼ぶ?あんたらをこの手で殺せるなら何の悔いもなく喜んで牢屋の中に入るわ」『わ、わかったから出てくから…』「ここはラブホじゃねえんだよ、私の家だから。私が家賃を払って住んでる家だから。何も貢献してないあんたはこのマンションを一秒見つめる権利だってない」包丁を下げると女が安心したように肩の力を抜く。 『じゃあ…1万円だけ前借していい?』「死ねよ」イラつきがピークで包丁を二人が寝ているベッドの近くに投げつける。「きゃあっ!!」 『おい姉貴、冗談だって』 ベッドに近づき徹平に馬乗りになると髪の毛をがしっとつかんで顔を近付ける。 「お前の価値は何だよ、私が毎日働いてる理由は何なのよ。なんでお前なんかの為に必死こいて働かなきゃいけねーんだよ!!!!!!!」 『わかったよ…ば、バイトするから』 「覚えときな……私は死んでもあんたを許さない」髪の毛を離すと頭を痛そうにさする徹平 「もういい…しばらく帰らない」何事にももう疲れた。 するとガチャっと聞こえるドアの音。「あいつが‥‥…帰ってきた」後ろに気配を感じた。いや、正確には匂いで分かった。 アルコール臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い 『静香帰ってきていたか・・・ちょっと金が足らんくてな、ちょいと貸してくれるか』 「……」 『お?気分で悪いか。俺が出すよ大丈夫』 私のカバンに手を付けようとする父親を肘で殴る。 『っ……おいおい、実の父親に暴行か?』 「ふざけないでよ……私は何よ。銀行?ATM?家族としてみてないわよね?お金を借りれる場所よね私ってあんたらの腐った目からしたら」『何言ってるんだ、大事な娘だよ』「良く言うよ…・・もういい、もう二度とこんな家に帰らないから。生きてる価値もないようなお前たちに尽くす理由なんてない」そういって家を出ようとすると父親が私の腕をつかむ。『なんだとこら…』突然私に平手打ちをした「っ…!!!」『お前がこんなに大きくなるまで育ててやったんだ、親孝行ぐらいしろよな?一生かけて』 床に倒れた私の襟をつかむ。息ができなくて苦しい。「あたしはっ…奴隷なんかじゃない…!」『静香。母さんは死んだんだ、もういないんだ。そう、お前の味方はどこにもいない』 「はっ……」そうだ、唯一私をいつもかばってくれてたお母さんはもういない。