ずっと独身でいるつもり?
原作 おかざき 真里
監督 ふくだ ももこ
あらすじ
10年前に執筆したエッセイ『都会というサバンナで、ひとりで咲く花になろう』(略してとかサバ)が大ヒットし、
一躍有名作家になった田中みな実さん演じる本田まみは現在36歳の独身。ヒット作からマンションを購入したり、欲しいものはすべて自分で手に入れる生活を送っていた彼女は、とかサバに続くヒット作がなく現在、迷走中。
とかサバは、男性や結婚に頼らず、自立した女性の幸せ、生き方が赤裸々に描かれており女性読者にとても支持され、今もとかサバ信者がいるほど。
そんなある日、ずっと独身でいるつもり?という藤井隆さん演じる辛口コメンテーターの配信番組に出演することに。
まみが出演するということで、多くのとかサバ信者は、その配信番組を視聴します。
しかし、そこに出演したまみは、とかサバを執筆したとは到底思えないほど弱々しく、感情が不安定。
そして、1人で生きていくのは寂しいと発言してしまったことをきっかけに、ずっとまみを支持していた、とかサバ信者だった様々な女性はショックを受け、その後のそれぞれの生き方にまみの言葉は、影響を与えていくことに。
グッときたポイント
⚠️ネタバレ注意⚠️
これから先、
誰かと一緒に生きていくとしても
ずっと1人で生きていくとしても
たくましく生きていく
なんだろう。
惹きつけられるところがすごくあって
この映画、何度も観ています。
独身は幸せじゃないのか。結婚したら幸せになるのか。お金があれば幸せなのか。自由であることは幸せなのか。
いろんな幸せの定義を問いかけてくるような物語です。
1人で生きていくのが怖い。
とかサバという強強なタイトルのエッセイを26歳で執筆したまみ。
でも、人は10年経てば考え方が変わるのか、1人で生きるのが怖いと10年後の36歳のまみは思っていて、
まみのエッセイを心の支えにしてきた由紀乃は、配信番組を観ていて、そんなまみの変容ぶりに何言ってるの?と、ガッカリしSNSに散々まみのことを悪く書いていきます。
でも、それは、由紀乃の中にまみと同じような考えがあったからこそであって、自分だって本当はマンションまで買って結婚を考えていた彼氏と幸せになりたかったけど、それができなかったから、まみのエッセイだけを心の支えに1人で生きてきたのです。
でも、まみが1人でいるのが怖いと言ったことにより、今までまみのエッセイを信じて1人で生きてきた自分自身のすべてを否定されたような気分になったからなのだろうと思います。
この物語の中には様々な女性が出てくるのですが、夫に小さな不満を抱えながらインスタの中ではカリスマ主婦である、あやか。(由紀乃の同級生)
パパ活をして生計をたてており、若さと可愛さだけが取り柄で、パパ(お金)を失うことを怯える美穂。
それぞれ異なる生き方や、生き辛さを感じながらも一生懸命もがいている4人を見ていると、
女って、本当に愛しいなぁってそう思えてきます。
まみは、彼氏からプロポーズをされ最初は喜び、OKするのですが、だんだん戸惑う気持ちの方が大きくなっていきます。
彼との考え方や価値観が全く違うのに、自分の本当の気持ちをきちんと伝えることができず、
でも可愛いおしとやかな彼女を彼の前では演じているのです。
結婚の話がどんどん進んでいくのを止めること。
独身として周囲から可哀想と見られながら生きること。
すべてにおいて、まみの中で不安や恐怖を感じているのです。
でも、電話するたびに結婚の話をしていた実家のお母さんは、結婚の報告をしにきたのに全然幸せそうではないまみを心配し、
無理して結婚することはない。
とまみに伝えます。
まみは、散々結婚しろと言っていたのにって怒るのですが、お母さんの言葉に心がぐらつきます。
結婚しても、
1人で生きていく覚悟は必要だ。
そしてまみは彼の両親への挨拶に行き、彼の両親からライターの仕事をやめるように言われます。やめる気持ちは一切ないまみの気持ちを無視し、彼は、そのつもりでいると勝手に両親に伝えます。
ライターの仕事に誇りを持っているまみは自分の気持ちを無視されたことで、とうとう彼に怒りを露わにします。そして、
結婚、やめようと言うのです。
じゃあ、なんでOKしたのか聞く彼。
そんな、彼にまみは一言。
魔が刺したのと伝えます。
そして、その後、配信番組に出演するまみは眼帯をつけています。
配信番組内で、結婚は破談になったと伝え、眼帯を外し、痛々しく目の周りはあざになり腫れている姿を見せます。恐らく彼に殴られたのでしょう。でも、この痛々しさはまみの今まで隠して見せなかった心を表しているのだと思います。
そして、まみはそこで初めて自分の気持ちを正直に伝えるのです。
いつまで独身でいるの?と結婚の予定は?と
ありがたいアドバイスをくれる皆様、
ありがとうございます。
でも、うるせぇよ。
そんなの1番私が考えています。
そんなまみの心からの叫びは、観ていた言いたいことを言えず、現実に縛られていた女性たちに勇気を与えます。
由紀乃は、いつまでも別れた恋人を待ち続けることをやめ、マンションから出る決意をし、
あやかは、働きたいとご主人に伝え、
美穂は、パパ活をやめて自力で働く決意をし、
それぞれが、自分にとっての幸せの形を目指して歩んでいく....というラストです
最後にまみは、文章を書きこの映画は終わります。それが...
これから先、
誰かと一緒に生きていくとしても
ずっと1人で生きていくとしても
たくましく生きていく。
いろんな生き方がある。
でも、結局、自分は自分で。
誰とも比べることなく、
自分の好きなように
好きなことをやって生きていこう。
すべては自分次第
前向きに生きようと進んでいく彼女たちに
とても勇気や元気をもらえる
そんな映画でした
こんな人におすすめ
・今を一生懸命生きている方々