TVのコメンテーターでも
よく顔を拝見する人が書いているものは
ほとんど読まないことのほうが多い。

番組内でのその人の発言が

どうしても印象に残っていて、

本のストーリーや登場人物の言動の裏に

その作家の性格や考え方を

勝手に垣間見てしまうからだ。


でも、元銀行員(だったと記憶しているが)の

この人については、

金融業界そのものを描いたものを

以前読んだことがあった。


そこで、文庫最新刊を手にした↓

再起 (講談社文庫)/江上 剛
¥760
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勢いで購入したので、

読み始めてから連作短編集だと知ったのだが、

感想としては、

短編ではなく、

この主人公の長編を書いてほしかった。


主人公は元総会屋。

強要罪で二年服役した後

出所してみると業界を含めた環境が大きく変わっている、

というような設定である。


確かにボクが初めて勤務した都市銀行でも

株主総会のときには

若手中堅社員でも身体の大きな人を中心に

総会用に選抜されて、

準備や当日の

「異議な~し!」

のタイミングなんかを練習させられていたように記憶している。


当時はまだまだ総会対策なんてものがあったし

「シャンシャン総会」なんて表現もあった通り、

想定外の質問が出ずに、

スムーズに短時間で終わる総会こそ素晴らしい
みたいな風潮があったので、

時代の急激な変化を感じる。



で、作品だが、

主人公の背景を丁寧に描こうとした割には、

結局のところ深いことはわからず、

脇を固める人物もあいまいだった。


相棒みたいに登場する元警察官も

その背景や、心情が不明確で、

結局のところ、彼のよりどころが何なのかわからない。

その上、連作短編だから、

やたらとその元警察官の親族が事件に巻き込まれて相談を持ち込まれるのだ。


ちょっと残念!