北海道をこよなく愛する作家は多い。
有名なところでは、
あの「北の国から」でおなじみの倉本總や、
直木賞を受賞した佐々木譲なんかがいる。

でボクが好きなのは、

この東直己という作家である。

その文庫最新刊だ。


なぜかアマゾンにはまだ無いので、これは単行本↓

英雄先生/東 直己
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この作家で有名なのはこの↓「名無しの探偵」シリーズだろう。


探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)/東 直己

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このシリーズでは、主人公の名前が絶対に出てこない。

一人称の「俺」で語られるストーリーはすべて主人公である探偵の目線で語られる。

シリーズはもう随分と作品が出ているが、一度も名前は出てこない。

周りの人が呼ぶときも

「俺の名前を呼ぶ声がする」とか

「あいつが俺の名前を叫んだ」

みたいに、決して名前が出てこない。


まぁ、それはともかく、

今回の作品もそうなのだが、

ボクがこの作家を好きな理由として

「語り口」があると思う。


今回の作品の主人公は、元ボクサーの高校教師。

日本史を担当しているが、やる気ゼロ。

でも他の先生の前で反抗的なわけでもなく、

母親も心配の電話を都度かけてくるがそれにもちゃんと出たりする。


そんな主人公と、他の登場人物との会話や、

主人公の思いをつづる語り口が

本当にこの作家独特で、

深い意味があるものもあれば、

登場人物の口を借りて、作者が普段感じているであろうことを“言わせている”

と思われるところも随所にちりばめている。


それが面白い。


今回のストーリー自体は

オウム真理教をモチーフにした宗教団体と

北朝鮮を絡めたもので、空想チックではあるが、

本質はそのストーリーには無い。


人間臭い主人公を応援したくなる作品だ。