「俺を殺したのはお前だろうに」
「……悪いって、思ってる」
ああこれは夢か。夢であればいい。ぼんやりとした視界でぼんやりとした脳でぼんやりと考える。足を組み尊大に腰掛けるのは幼い自分自身。僕にまだかろうじて来ていない変声期をとっくに終えたのか、その声は僕の声の雰囲気を残しながら明らかに低くなっていた。僕は目頭が熱くなったのをこらえるようにぎゅっとまぶたを下ろした。
「いつか、もう一度きみと生きたいな」
「無理な話だ。俺はもう死んだんだろう」
「死んでない。きみは俺と生きている」
「感化されてんじゃねえよ、あんな男の綺麗事に」
「彼を悪く言うのはやめてくれよ」
「事実だ」
幼い僕は椅子の上に立ってくるりと一回転した。「危ないよ」と声をかけると「それもな」と笑われる。「それも綺麗事だ。お前はこれが夢だとわかっているのに」ああ、そのとおりだ。幼い僕はもう一度回り、さらに半回転して僕に背を向けた。
「可愛い可愛い女の子として生きて楽しいか? ……おっとォ、お前は馬鹿な姉のせいで中途半端なキャラクターで生きてるんだったな。かっこいい男勝りな女の子。楽しいか? 楽しいだろうな。だってお前が望んでやってるんだもんな。自分を捨てて、俺を捨てて」
「……僕は」
「そのくせ、あっという間に馬鹿に感化されて」
(途中)