柱を背にして改札口にむかっているアツくんの斜め後ろに立ってみる。
メールを打っているらしいアツくんは、携帯から目を離さない。
もう一歩近づくと携帯が見えた。
“色違いだっ!”
アツくんが携帯をパタンと閉じた瞬間、左の後ろのポケットのバイブがメール着信を伝えた。思った以上にバイブの音が響いた気がした。
“えっ!やばっ!”
あわてて携帯を取り出し、メールを開く。
『もう大宮は過ぎてるよね
大丈夫かな…起きてる
ほらっ…もうすぐ上野だよ
ちゃんと起きてないと、そのままUターンしちゃうぞ』
その気配にアツくんはチラッと振り向いた。
携帯から目をそらすことができない。
“お姉の携帯…気づいて!…ダメ!気づかないで!!”
どうしようもできない。体が動かない。顔を上げることも、指を動かすことすらできない。息が苦しくなる。
メールを打っているらしいアツくんは、携帯から目を離さない。
もう一歩近づくと携帯が見えた。
“色違いだっ!”
アツくんが携帯をパタンと閉じた瞬間、左の後ろのポケットのバイブがメール着信を伝えた。思った以上にバイブの音が響いた気がした。
“えっ!やばっ!”
あわてて携帯を取り出し、メールを開く。
『もう大宮は過ぎてるよね
大丈夫かな…起きてる
ほらっ…もうすぐ上野だよ
ちゃんと起きてないと、そのままUターンしちゃうぞ』
その気配にアツくんはチラッと振り向いた。
携帯から目をそらすことができない。
“お姉の携帯…気づいて!…ダメ!気づかないで!!”
どうしようもできない。体が動かない。顔を上げることも、指を動かすことすらできない。息が苦しくなる。