先方はお姉の家を気に入ってくれた。後は契約に関しては旦那がやってくれる。家賃は武名義の口座に振り込まれるようにするつもりだった。
“お姉、帰ってくるとこなくなっちゃったね。”
そんなことを思ったら、涙があふれてきた。
“それなのに、あたしは…。”お姉からアツくんまで奪ってしまおうとしている。お姉の名前を使ってだが、自分の気持ちをメールしようとしている。
“お姉、ゴメンね…ゴメン…ゴメン…。”
アツくんのお誕生日の11月7日、その日まであたしは「マミ」になる、メールの中では。アツくんの「マミ愛してる」の一言を聞くために。
『今日はちょっとバタバタしてたけど、やっと落ち着いたよアツくんはお仕事忙しいの?
ちょっと休憩したら、買い物に行って、夕食作ろうかな
アツくん…愛してるよぉ』