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東京駅記念スイカ、30日から受け付け 全員に販売

2015年1月20日15時30分 朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASH1N513SH1NUTIL02H.html

東京駅Suica

東京駅Suica申し込みは2月9日まで

記事抜粋
“JR東日本が昨年末に限定販売した交通系ICカード「東京駅開業100周年記念Suica」に購入希望者が殺到し、販売を途中で打ち切った問題で、同社は20日、30日から2月9日まで、インターネットと郵送で購入希望を受け付けると発表した。当初の販売時と同じく、1人3枚を限度に1枚2千円で購入可能。全ての申込者に販売する。”

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この記事から10日。予約開始日の30日がやってきた。
あの騒動は何だったのか。東京駅100周年を記念して昨年12月に販売され、大混乱の末、即日販売中止となった「東京駅100周年記念Suica」。今日から購入のための予約受付が始まった。

JR東日本のホームページでは特設サイトが設けられている。

http://www.jreast.co.jp/suica100/

この特設サイトからインターネットとハガキで申し込みできる。
「東京駅100周年記念Suica」を購入するための要点は、
①インターネットまたはハガキで申し込み
②1人3枚まで
③申込受付期間は、ネットが1/30の10:00から2/9の23:59まで。
ハガキが1/30から2/9当日消印有効。
④申し込みは1人1回限り有効
⑤代金は1枚2000円

詳しくは特設サイトを見ていただきたいのだが、商品が届くのは3月19日以降ということらしい。1か月以上かかるとはいえ、とりあえず今度は全員に販売される予定。
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「東京駅開業100周年記念Suica」は昨年12月20日に15000枚限定で販売された。枚数も限定なら、販売場所も限定。東京駅の特設ブースだけがこのSuicaを手に入れられる唯一の場所となった。日本人は限定販売に弱い。行列にはネットで売りさばこうとする転売屋も多数出現。人の波は東京駅をぐるりと取り囲むまでになり、約9000人が殺到したという。JR東日本では当初徹夜で並ぶことを禁止していたにもかかわらず、徹夜組にも販売。朝から並んだ行列客との間で怒号が飛びかった。あわてたJR東日本では、9時40分8090枚を売った時点で販売を中止。寒い中並んでいた多くの希望者は商品を手にすることなく帰宅することになった。徹夜で手に入れた転売屋はさっそくネットで高額の値段をつける。数10万円の価格がオークションサイトに出現した。JR東日本は当初5000人くらいの希望者を想定していたという。1人3枚購入するとして15000枚。数は確かに合うのだが、JRはこの記念Suicaの魅力を全く理解していなかったといえる。
「東京駅開業100周年記念Suica」は新しくリニューアルされた丸の内駅舎をデザインしたもの。印象的な八角形のドームと駅正面の様子が中央に置かれ、日本語は一切なく、レトロな書体の英数字だけが並んでいる。昨年日本で公開されたミュシャのイラストを思わせる美しいデザインだ。ネットで販売予告がされたあと、話題を集めていた。デザインした人は東京駅の女性社員だという。昨年のニュースを拾ってみた。

ライトアップされた東京駅 
 ライトアップされた東京駅

復元されたドーム
復元されたドームの天井

 

東京駅開業100年限定版Suicaデザインは女性車掌 高校で日本画、異色の経歴 制作3カ月、細部まで描き込み

産経ニュース 2014.12.20

http://www.sankei.com/life/news/141220/lif1412200014-n1.html

記事抜粋
“デザインを担当したのは同社東京支社の車掌、鈴木裕理子さん(27)。都内の芸術系高校で日本画を学んだという経歴の持ち主で、節目の年に自らのデザインが記念スイカを飾り「こんな光栄なことはない」と話している。 記念スイカは、20日午前8時から同駅丸の内南口で、1万5千枚限定で発売する。1枚2千円(デポジットの500円を含む)で、購入は1人3枚まで。JR東日本が9月に記念スイカのデザインを公表すると、ネット上では「絶対入手したい」「きれいなデザインに一目ぼれ」といった書き込みが相次ぎ、話題になった。”
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このSuicaも美しいが、イラストのモデルとなった東京駅の丸の内駅舎がそもそもかなり美しい。東京大空襲で焼失した旧デザインを忠実に復元。当時の建築家や施工者のこだわりが随所に見られる素晴らしい建築物だ。周囲は丸の内のありきたりな高層ビル群。ひときわ輝いてしまうのも無理はない。今日本で最もカメラの被写体になっている駅ではないだろうか。

東京駅は1914年(大正3年)12月20日開業。日清戦争と日露戦争が終わって一息ついたころ、日本の中央駅として、皇居の前に建設された。設計を担当したのは、当時モダンデザインで名を馳せていた辰野金吾。施工は大林組がおこなった。


開業2日前の12月18日、開業式典で時の首相大隈重信が挨拶した。「物はすべて中心を欠くべからず。あたかも太陽が八方に光を放つごとく、鉄道も光線のごとく四通八達せざるべからず。」
(「東京駅はこうして誕生した」林章 著から抜粋)

現在の東京駅を予感していたかのような大隈の言葉がすごい。その後、太平洋戦争末期のアメリカ軍による東京大空襲により、駅舎はほとんど消失。2つのシンボリックなドームも焼夷弾の直撃でなくなったままだった。

 今日の1冊
東京駅はこうして誕生した (ウェッジ選書)/ウェッジ

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この本では、1世紀前にさかのぼり、優美な元の東京駅が誕生する背景や建設に尽力した人々を紹介。東京駅は「首都東京の、有能でダイナミックな装置」だと著者は定義づけている。数々の写真の中には、戦争の舞台となった東京の風景がいくつか見られる。東京駅100歳。苦難の歴史を乗り越えて、エレガントなデザインを復活させたたくさんの人々と共に、100周年を祝いたい。

ところで、「東京駅開業100周年記念Suica」の特設サイトは初日でアクセス多数のせいか、申し込み開始時間の10時から1時間ほどまったくつながらなかった。午前11時過ぎにようやく購入申し込みが完了。実物にお目にかかるのは3月になるが、楽しみに待っていよう。