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ピケティ氏語る「人口減の日本、富の集中進む」
2015年02月03日 10時45分 読売オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150203-OYT1T50076.html

経済学者トマ・ピケティ 
経済学者 トマ・ピケティ

記事抜粋

“記者会見での発言
「日本や欧州は、人口の減少によって、世襲社会に戻りつつある。富を相続する人の数が減り、富裕層の子供は以前より多くの財産を引き継げるようになった。一方、相続できる財産がなく、労働所得のみに頼る若い人が不動産を所有するのは難しくなっている。
富裕層を対象に、不動産や株式などの資産に対する累進的な課税を世界的に強化すべきだ。日本は国内総生産(GDP)の規模で見ても世界で重要な国なので、大事な役割を担うべきだ。
格差の縮小と経済成長は両立可能だ。そのためには、国民の幅広い層が適切な教育と職業訓練を受けられるような環境づくりが必要だ。」”

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ピケティが売れている。
ピケティはフランスの経済学者。2002年フランス最優秀若手経済学者賞を受賞。パリ経済学校の教授。フランスの高所得者層の研究に取り組み、経済的な不平等の専門家とされている。

ピケティが世界的に注目を浴びたのは、2013年、フランスで『21世紀の資本』という本を出版してからだ。2014年にはアメリカで英語版が出版され、わずか半年で50万部の大ヒット。その後世界10数か国で100万部を突破するベストセラーとなった。
実に200年以上もの長期間の税務当局のデータや世界各国の税制などの資料を細かく分析した結果、富の集中によって今後社会や経済がますます不安定になると問題提起した。さらに、格差による社会のひずみを是正するために、各国が協調して富裕税を導入することを提案している。

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経済本がこんなに売れることは珍しい。しかし、テーマは格差社会。売れないはずはなかった。
80年代以降、欧米各国や日本では格差が急速に拡大している。特にアメリカでは、2011年に金融界を批判する若者たちによって、ウォール街が占拠されるほど、格差が極端になっている。日本では、正社員と非正規社員の年収格差が問題視されて久しい。ピケティは旬の男なのだ。

値段が値段だけに、書店に行って、本を手に取ってみて驚いた。重い・・・。1キロはある。
地下鉄の階段を上り下りし、家にたどり着くまでにはかなりの負荷がかかるだろう。

帰ってamazonで買うにしても、少しは読まなければ、と、「はじめに」だけを読んでみた。こんな長い「はじめに」があるか。うっかり全部読んだ後には、腕が痛くなっていた。

とはいえ、文章のタッチはまるで目の前で講義を受けているような感じで、難
しいとか、退屈だとか、長い本にありがちの、胸焼け感がなかった。NHKのEテレで、「パリ白熱教室」を見ているせいかもしれない。

先進国の経済格差の過去と現在と未来、そして、我々はどうすれば良いのか。真面目に問題と向き合う姿勢が試されているようだ。

それにしてもこの値段。どうにかならないものか。上下2冊に分けるとか。

そうだ。図書館があった。と、ネットで予約すると何と128番目。貸し出
しは2週間だから、単純に計算すると、256週後に読むことができる。つまり、1792日後、つまり、それは、4年後なのだった! えー!
上位1%の超富裕層なら、こんなに悩まなくて済む。99%の層はひたすら悩みつつ買い物をするか、あきらめるしかないのだ。これこそが格差でしょ。


 今日の1冊

 21世紀の資本/トマ・ピケティ

¥5,940
Amazon.co.jp