自分が否定していたり、
嫌っているものこそ自分にとって最高の宝である。

そう思えたら、トラブルになる前に、進む方向がわかります。

通常はそれがわかりません。

なぜなら、とてもじゃないけどそう思えないからです。

でも、この世には、自分の思考しかないのです。

相似形を最大限に利用して、安全にすすむには、
否定しているゾンビを墓場の底から解放することです。

「私自身がゾンビです」と言えたなら、
それはゾンビではなく、才能になるのです。




先日、ある人とお話をしました。
(ご本人の同意を得ています)


仮にAさんとしましょう。
Aさんには、現在結婚したい人がいます。

でも、なかなか結婚話が前に進みません。


なぜなら、彼には妻と子がいるからです。

Aさんは言います。

「私と出会う前から、
奥さんとは気持ちが離れていて、夫婦ではなかったの。
(ちなみに不倫する人は皆口を揃えてこういいます)

奥さんは、まったく彼に興味をもっていなくて。
家庭内別居状態だったの」

(深いこころでは、不倫じゃないと言いたい。純粋な愛と言いたい)

彼には子どもが一人います。
子どもへの責任もあって、すぐに離婚できないのです。
お金もつくらなくてはいけません。

二人の関係は、奥さんにはもちろん内緒です。


それにしても、妙に違和感を感じます。

Aさんは、奥さんのことをとても心配しているのです。
彼(Aさんが付き合っている人)は、十分なお金を支払うべきだと言います。
男性はしっかり金銭的に家族に責任をとるべきだと。

だから、結婚が遅くなります。

なんだか、彼よりも、奥さんの味方のようです。

その違和感を伝えると、Aさんは語り始めました。

「私の祖父は有力者だったのだけど、
本妻の他にお妾さんをつくっていたの。
お妾さんにも子どもがいてね。

きっと祖母は不幸だったはずよ。
祖母が早くに亡くなったあとで、祖父はお妾さんとは違う女性と再婚したのよ。
私は、そんな祖父が恥ずかしくて。
だから、気持ちとしては、本妻の味方をしてしまうのかしら」

「……ちょっと待った~!
あなたには、自分が愛人だという自覚はあるの?」


すると、心底キョトンとした顔で、
「え? どういうこと?
私は愛人じゃないわよ。
だって、私と出会う前には夫婦じゃなくなっていたんだもの・・・」

こころから自分は愛人じゃないと思っているようです。

「いいえ、結婚している人とつきあうのが愛人よ!
しっかり一度認識した方がいいの。

Aさんは、おじい様でもあり、お妾さんであり、本妻でもあるの。
脳の中の登場人物を役割を変えてやっているのよ」

Aさんは、自分はどちらかというと本妻の気持ちであり、
自分の立場が愛人だと認識できません。

そして、傍観者として、夫婦関係にコメントしていたのです。

不倫する人は、よく、「夫婦はもう終わっていたの」と言います。
奥さんに関してだけは、男性の言葉をうのみにします。

そうやって、自分の罪悪感を隠すのです。

Aさんには、ピンとくるものがあったようです。

「思い出したんだけど、祖母が亡くなった後で、
祖父は、お妾さんを本妻にしようとしたの。

でも、お妾さんは、本妻になるのを拒否して自由を選んだの。
そしたら、祖父が新しい奥さんを迎えたので、
元お妾さんは大変ショックを受けたらしいわ。

祖父が亡くなってから遺産相続で裁判を起こしたほどだから、
よほど頭に来たのね。

祖父がお妾さんに結婚を求めたとき、

素直に受けていれば孤独にならなかった。
そうすれば、一人になることも、裁判を起こすこともなかったのよ」

とお妾さんに言ってやりたいそうです。

すごい!
すべてが相似形じゃない!
自分を愛人ではないと思っているときは読み解けないし、
次にどうしたらいいかわかりませんでした。

でも、自分は愛人なんだと認識できたら(ゾンビに光が当たったら)、
次にどうするべきかわかるのです!

このままでは、彼と別れて結局自由を選択し、
最後は孤独になっていたかもしれない。

「ああ、すっきりした!

やっぱり、愛人だったことを認めて、素直に結婚すればいいんだ!」



そうなんです。

自分が嫌っている人こそ、自分なんです。

そこから、いろいろなメッセージがつかめます。

だから、一番嫌なものになりきってみてください!