我がオットは、中学生の頃から彼是30年以上も吹奏楽をやっている。

パートは、ずっとパーカッション。

いわゆる打楽器である。

私は吹けるのは、ホラと縦笛くらいなもんで

全く楽器関係には疎いのだが、

普通30年もそういうことをやっていれば、

MY楽器の1つや2つは、持っていて当然で、

オットの友人の中には、100万円を超えるような

楽器を持っている人もいるという。


しかし、オットのパートである打楽器というのは、

1人の人間が1曲の中で、何種類もの楽器を演奏することも

多々あるので、MY楽器を買うとなると結構大変なのだ。


じゃあ、これまでに何の楽器も買ったことがないのかというと、

どうやらそうではないらしく、トランペットだがフルートだかの

吹く方の楽器を買ったことはあるらしい。

「らしい。」と言うのは、結婚する前に買って、使わないから

売ってしまったので、私は見たことがないのだ。


打楽器以外をやる気もないのに、どうしてわざわざ高い金を出して

結局売ってしまうようなものを買うのか?

この辺りがオットの悪いくせで、欲しいとなったら熟考もせず

熱に浮かされたようになって、後先考えずに買って後悔するのだ。

この癖は今でも多少残っているが、今は私の許可がないと

勝手に何でも買えないので、とんでもない失敗はなくなってきている。


そんなオットが、何ヶ月も前から「欲しい、欲しい!」と言い続け

私から「ホントに欲しいのなら、自分で半分でもお金を貯めなさいよ!!」

と小学生の子どもが言われるようなことを言われ、

何とか半分自分の資金を用意して買ったのが

スネアドラム

このスネアドラム!


これは「ブラスト」 という、アメリカのショーの中で唯一の日本人

石川 直(いしかわなおき) という人が使っているのと

全く同じ仕様にオーダーしたのだという。

オットは、ブラストと石川 直にかなり傾倒していて、

以前自分たちの演奏会でも、パフォーマンスの一部を真似して

取り入れたりしていたくらいである。

「だからどうしても、同じものが欲しかったんだ。」

と楽器に興味のない私に熱く語り、

普通のものよりも値段が高くなってしまった言い訳をしていた。


一般的に楽器というのは、かなり大きな音がするので

家で練習したりすることは、近所の手前なかなか難しいもので、

ましてや太鼓をドコドコ叩かれた日にゃ、近所の人だけじゃなく

家族が大迷惑なのである。


なので、最近のオットはやたらと楽団の練習に行く。

市吹の練習だけでは飽き足らず、以前所属していたバンドの練習

にも行くという気合の入れようだ。

今日も練習があるからと、車に積んで出かけていった。


「週に4日も自分の好きなことをさせてもらえて、

本当に優しくて良い奥さんで良かったなぁ~~~」

と嫌味たっぷりに送り出す私なのであった。