かれこれ年単位で探している本がある。
祖父が書いた本で、昭和後期に小さな出版社から出版されたものだ。自身の半生を書いた内容で、当時の村の様子や簡単な家系図も掲載されている。この家系図をまず確認したかった。
以前は実家にあったはずなのだが、十数年前に大掛かりな大掃除をして、それがきっかけなのかどうなのかもわからんのだが紛失状態になり現在に至る。
もしかすると探せばあるかもしれないし、間違えて捨ててしまったのかも分からない。
おそらくは後者であろうということで、古本屋を通りかかった際は物色してみたりもするのだが見つかるものでもない。
少なくとも絶版となっていることは、出版社のサイトで確認した。
 
今は便利な世の中で、複数の古本屋を横断検索できたりもする。
ここには無いので、無いのだろうなぁとは思う。そもそも買う人がいなければ売る人もいないわけで。買ってせいぜい民俗学者とかそんな感じだろう。

 

 

 

次に目をつけたのが図書館だ。
国立国会図書館なら今まで発行された書籍はほとんどあるはず。
最初に検索したときは3~4年前だったかな。
そのときは「電子化作業中」というステータスで、閲覧はできなかった。
毎年思い出したときにチェックして、先週見たらやっと「インターネットで読める」タグが付いていた。
 
インターネットで読める・・・すなわちWebブラウザで読めるなら、わざわざ国立国会図書館まで足を運ばなくても良いな。
さらに、個人向けデジタル化資料送信サービスの対象にもなっていた。

 

国立国会図書館のデジタル化資料のうち、絶版等の理由で入手が困難なもの を、インターネットを通じてご自身の端末(パソコン、タブレット)等でご利用いただけるサービスです。
 

とのことで、印刷もできればPDFへエクスポートもできるというゴッキゲンなサービスだ。

もちろん、違法アップロード対策は万全なのだが後述。

 

利用するためには、利用登録が必要だ。

マイナンバーカードか運転免許証を撮影なりスキャンなりして、その画像をアップロードして申請をする。

本登録まで5営業日かかるとのことだったが、土曜に申請を出して月曜には登録完了のお知らせがメイルで来た。早かった。

 

早速祖父の著書を見てみた。

紙の本を開いてスキャンしたものだ。解像度はよろしく読みやすい。

Webブラウザで閲覧しても良いのだが、PDFにすればタブレット端末でもオフラインで読める。

PDFエクスポートは「印刷」機能で行う。見開き2ページ分を「1コマ」として、最大50コマまで1つのPDFファイルとして出力できる。対象書籍は160ページちょい。コマでいえば80コマちょっと。1回の出力では間に合わず、2回の出力となった。それでもPDF形式で手元に置けるのはありがたい。

 

PDFを見てみると・・・各コマの下部に自分の名前がバッチリ記されていた。本文とは被っていないが、なかなかの文字サイズだ。

こりゃ違法アップロードもできまいな。なるほどこういう対策か。

PDFファイルは権限パスワードが設定されていて、Acrobatを持っていたとしても名前文字列を消すなどの編集もできない。暗号化されているためPDFをテキストエディタで開いて頑張っていじることもできない。なるほどなるほど。

 

ちなみに、PDF形式のファイルには2種類のパスワードがある。

・閲覧パスワード

 PDFファイルを見るために必要なパスワード

・権限パスワード

 PDFファイルに対する属性を変更するために必要なパスワード

 

 国立国会図書館のエクスポートPDFは印刷と内容抽出以外はすべて「許可しない」となっている。無駄な抵抗はやめるべきだな。

 

 

したがって、CubePDFで1ページ単位のPDFに分割した後で、全て結合して160ページ全て1つのPDFにまとめる・・・などということはできない(試したw)

 

今回は祖父の著書を請求したが、せっかくこういうサービスがあるのだから使い倒したいものである。知らないと勿体ない。

 

迷うなら、オススメの本を紹介しているサイトも活用しよう。

 

 

一生かかっても見きれないくらいあるんだよな。