明日から仕事なので、通常通りの時刻に目覚めることができるよう目覚ましをかけておいた。
見事に二度寝して8時半起床。明日もこれじゃあ駄目だな。
 
今日は書き溜めていた日記を書こうと思っていたが、外は天気が良い。
終日引きこもるのは到底耐えられない。出かけることにした。
 
かねてから読みたいと思っていた、田山花袋の「再び草の野に」を求め図書館へ出向いた。
青空文庫は年単位で「作成中」となっていて埒が明かない。
今は自宅からインターネットで蔵書の有無を検索できて便利な時代になったものである。
中央図書館ならあるらしい。さらば出かけよう。
 
K駅からコミュニティバスに乗り、O駅を経由して図書館へ向かった。
道中、成人式帰りの団体さんで混雑したりもしたが、なんとか降りられた。
 

 
中央図書館は2度目だ。
初回は煉瓦造りの建物を見学する目的だった。
旧兵器工場だったらしい。隣には今も自衛隊の十条駐屯地がある。
 
中も遺構があるが、館内撮影禁止のため写真はない。
 
今回は田山花袋の「再び草の野に」という短編小説を読みに来た。
先日、甲斐市立図書館で全集を手に取り、収録されている同作を斜め読みししようとした。短編といっても200ページ以上あり待ち時間の時間つぶしで読めるものではなかった。
館内の検索コーナーで書架の場所を調べたところ、書庫入りとなっていたためカウンターでその旨を告げ持ってきてもらった。
かれこれ2時間半かけて読み終わった。漢字は舊字體で一部わからん語もあったが、現代仮名遣いであり比較的読み易かった。「突っ入る」も読めたし。
川や田んぼに落ちるという意味の「つっぺる」という方言だ。
 
あらすじは以下のような感じ。
 
東武伊勢崎線が埼玉のH町(羽生町:作中では地名も駅名も全部イニシャル)まで開通した頃の話。カネがないのでT川(利根川)に橋を架けられない。それでも群馬のT町(館林)、その先のAG町(足利)やS町(佐野)へ行きたい。
そこで、暫定的に川の近くに「KM駅(川俣駅)」を開設した。川を渡る手段は渡船となる。
船を待つ客を相手にするため、何もなかった駅前には飲食店ができた。ツツジの季節は館林の花山へ行く客で賑わった。茂林寺の茶釜も観光資源となった。全部群馬だな。
やがてN氏(根津嘉一郎)の介入により鉄橋を造る目処が立ったため工夫の住居が造られ、駅前はさらに発展していった。
鉄橋が完成すると、川俣駅は対岸の群馬に移設されることになった。埼玉にあった川俣駅はターミナル駅で維持費もかかる。群馬に新設した川俣駅は途中駅なので小さな駅で良くコスパも良い。
また、羽生駅から大して離れていなかったことも移設の理由の一つのようだ。
移設といっても埼玉側は廃駅なので周辺住民は落胆し、移住を余儀なくされた。
やがて町は廃墟となり、再び何もない野原に戻りましたとさ。めでたしめでたし。
 
という流れを、周辺の住民の恋愛事情やら事件やらをメインに描いている。心中あり、殺人事件ありと、割りと死人が出る作品だ。
鉄道の歴史部分にはあまり重点は置かれず、作中のイベントのような扱いだったのは期待と異なっていた。
田舎教師の主人公もちょっと出てきたりして、ファンにとってはニヤリとする描写もあった。
 

明和町は駅にその旨のパネルを展示しているが、羽生市はそんな作品知らんと言わんばかりに田舎教師推しだ。そらまー、羽生市が衰退する話だしな。

 

駅の変遷は史実通りだが、町ができて賑わったかどうかはフィクションかもわからない。

なにしろ110年も前の話で、埼玉側に駅の名残は無い。相変わらず広大な空き地がある。
一時期は日比谷線が延伸して営団の車両基地が造られるという、真偽の程は定かではないうわさもあったりしたものだ。

 

ほかに、カネがないので橋が架けられないためとりあえず作った駅として有名なのは、小田急線の厚木駅だ。
海老名村(当時)はマイナーな田舎村だったので、川の向こうの厚木の名を駅名にした。
こっちは複数の鉄道会社が絡んでいたこともあるのか廃止を免れ、海老名市にある厚木駅(偽厚木)として現在に至る。

 

雑誌を眺めたり、北区の小冊子を購入したりもして帰途についた。

雑誌は記事を切り抜くアホがおるようで、注意喚起の張り紙が多めにあった。

こういうのは1匹でもいると図書館の存亡にかかわるんだよな。

 

図書館に長時間滞在したのは十数年ぶりだからなのか、青木まりこ現象が起きるようになっていた。今まではなかったんすけどね。

最近は本屋へも行ってないしなー。

 

図書館へはたまには行きたい。ただ、読書のための椅子がほとんど埋まっているのが難点。

借りればいいんだけどさ。

 

板橋区だと電子書籍が借りられる。返しに行かずとも期限が来ると強制返還となりお互いに手間もかからない。

スクショ対策をしないといかんデメリットはあるが、本や雑誌の借りパクや毀損の心配もないし普及していったほうがいいのかも。

 

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