有給休暇を取ったので、玉ノ井に出向いた。
この「旧玉ノ井」、最寄りの駅が硬券を売ってた時代から旧玉ノ井だったな。調べたら1987年に改称とある。35年近く経ったわけだが、今もなお「旧玉ノ井」と併記しておかないと間違う老人いるのかね。もしかして副駅名?

 
東向島駅といえば東武博物館。今回の目的地。
駅出口から東武博物館入り口をスルーして曳舟方面に歩いていくと、デラックスロマンスカーが出迎える。見かける機会は何度もあったが、結局乗らずじまいだった。
台車は200系りょうもうに使い回されており、そういう意味では乗ったといえないこともない。
200円をSuicaで払って館内へ入場。
緊急事態宣言は明けても時短営業は続くようだ。15時半で閉めるとのこと。入館は11時を回ったところだし、ここの規模を考えると閉館時間まではいないだろう。
 
では、デハ5から。きれいなもんだぜ。
 
この車両の現役時代はさすがに見ていない。
ただ、この車両の次が7800というのだから、長く活躍していたんだなって。
車内はレトロオシャンティ。照明も明るすぎずやさしい感じでええな。
サボに時代を感じる。駅名が旧字体だったのは8000系の方向幕でも見かけたので、旧字体も最近(つっても昭和末期とかだけど)まで使われていたんだな。
 
スペーシア個室。バブル全盛期にデビューした100系を象徴する設備。親が旅行するからと個室のチケットをプレゼントしたことはあるが、当の本人は利用したことはない。
 
信号設備の説明で使われている8000系車両模型。ボタンをポチると走り出す。
 
東武博物館リニューアル時の目玉となったのがこちらの車両。5700系の「猫ひげ」さん。
このタイプが走っていたのは見たことがない。貫通扉ありのタイプはよく見たもんだがな。元々この車両は貫通扉があるタイプの車両だったが、前面だけ切り取られ、復元されたこちらの顔に差し替えられている。車両自体は杉戸でしばらく放置されていたのはよく見ていた。こういう形で日の目を見ることになったことは喜ばしいことである。
 
切り取られたお顔は別途展示されている。上野大佛みたいだな。
 
電気機関車も懐かしい。昔は当たり前のように貨物列車も走っていて、多種多様な貨車が連結されていた。やがて「ヨ」が消え、本数も減り重連が日常になり、そして貨物扱いは廃止された。
 
1720系の前面についていたヘッドマーク。「きぬ」と「けごん」は後継のスペーシアにも継承されているが、「さち」は知らないや。衣笠祥雄?
 
とーぶカードの自動販売機。磁気式プリペイドカードですな。
自動券売機での支払いに使ったものだが、これがのちに自動改札にカードごと突っ込む「パスネット」に進化し、ICカード「PASMO」へとつながることになる。
 
東武博物館の展示物で特筆しておきたいのが、こちらの連動盤。指令室で電車の位置を把握するためのパネル。
この手の展示物は電源が入っていない状態で展示されているのが常だが、ここ東武博物館に於いては電源が入っているだけではなく、実際の運行状況をリアルタイムで反映している。
中央の東向島でランプが点灯すると、博物館の上から電車の走行音が聞こえてくる。ここはこだわりを感じるね。
 
ホームの下に窓があり、館内の通路から覗き込むことができるのもおもしろい仕掛けだ。
車輪が動くのを間近で見ることができるだけでなく、ロングレールのつなぎ目もじっくり観察できるよう、つなぎ目が目の前に来るようレールも敷設されている。
 
8000系の部品展示。
この速度計は見覚えあるな。昭和時代の東武は最高速度80KPHと低速走行だったので、メーターの数字も120でじゅうぶんだったんだ。今は100KPHと人並みの速度が出るようになった。
鉄道系博物館といえば、ジオラマですね。
日に数回、鉄道模型が走り回るショーを見せてくれる。小さいお子さんだけでなく、儂もキャッキャしながら見てた。現実ではもう見られない1720や1800などの走りをこのジオラマ世界では見ることができる。
 
そろそろ帰ろうかなーと思ったら、SLも走行ショーが開催された。動輪がその場で回転するだけではあるが、迫力ある走行の一片くらいは感じられた。
 
同館が所有する動態保存車(8111FとSL大樹)も見てみたいものである。
 
そして東向島駅に戻る。
ホームの下にこんな感じで覗き窓がある。
 
日中、ここからの下り列車はすべて北千住止まり。もはや浅草支線と呼んでもいいくらいぶった切られてしまった。
かつては浅草から伊勢崎まで乗り通すことができたものだが、北千住、久喜、館林で系統が分断され、必ず下車しなければならなくなった。
本線系は便利になったかもわからんが、本線から外れると優しさが足りなくなるところは東武クオリティだな。