☆本日のポイント
 脂肪肝が少しでも改善すると血糖コントロールがよくなる

過食、運動不足が長期間続くと、肝機能障害が起こってくることがあります。

それは、脂肪肝。

以前は肝臓が悪くなるのは飲酒によるもの、肝炎ウイルスによるもの、というイメージがありましたが、今では飲酒をする人も減ってきて、肝炎ウイルス対策もワクチンや治療薬の開発により、症例的には少なくなりつつあります。

しかし、肝障害は減っていない。


それは、脂肪肝によるもの。

非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholicfatty liver disease:NAFLD)

と総称されています。


内臓肥満に伴うメタボリックシンドロームと関連の深い病態です。



脂肪肝があるだけで、肝細胞が炎症を起こし、肝硬変へ移行、そして肝がんになる可能性を秘めているんです。

それを非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)と呼んでいます。

2型糖尿病で、お腹がぽっこり出ている内臓肥満タイプの場合は脂肪肝を改善するだけで、血糖コントロールがよくなる可能性があります。

糖尿病の発見が早ければ早いほど、薬物療法を離脱し、食事療法や運動療法のみで血糖コントロールすることもできるでしょう。

血糖値が高くなり、糖尿病と診断されるまでの期間というのは・・・わかりません。
健康診断を1年毎に受けていれば、血糖が高くなってきた時期をおよそで推察できるくらい。

わずかな血糖上昇、血圧上昇が認められてきたときに、生活習慣の改善を行えば取り戻せるかもしれないのですね。

もちろん、糖尿病があってもなくても、栄養バランスのとれた食事、適度な運動は日々心掛けていく生活習慣です。適度な運動とは、家事や通勤も含めて、日常的に体を動かしておく、ということです。日常生活には重いものを持ったり、段差を登ったり、バランスをとってこけないようにしたりしてます。これも運動の一つとなり得るのです。

この生活の上に、糖尿病の人は一部の糖尿病治療薬がさらに脂肪肝の改善に寄与してくれます。

SGLT2阻害薬(フォシーガ、ジャディアンス、ルセフィ、カナグルなど)

尿糖の排泄を促進するこの薬は、脂肪肝改善の効果も期待できます。

血液検査でALT 30U/dL 以上あれば、脂肪肝の疑い有です。注意してくださいね。

奈良宣言 STOP AST>30
https://www.jsh.or.jp/medical/nara_sengen/iryou.html


次週5/3は休刊します。次回発行は5/10を予定しています。
よろしくお願いします。

 


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