☆本日のポイント
  患者さんそれぞれに治療目標は異なることを理解する
  

糖尿病は診断されてから、食事療法や運動療法で適切にコントロールできないときには、薬物療法が追加されます。


以前は、血糖値を下げればいい、HbA1cが低ければよい、というようなイメージのコントロール目標でした。

様々な大規模スタディの結果、ざくっと書くと・・・
 ・高血糖が持続することは、合併症が進行しやすい
 ・血糖値は糖尿病とわかった時点で、許される限り早く適切な血糖値の範囲にとどめるようにする
 ・血糖値だけでなく、血圧、脂質もコントロールしておく必要がある
 ・HbA1cが低くても、質の悪いHbA1cでは合併症や併存症が進行しやすい
 ・低血糖を極力避ける治療方法を選択する
 
 
HbA1cの目標は、薬物療法を行っている人で7%未満となっています。
この目標を達成するにはTIR(70~180mg/dL)70%以上と言われています。
あわせてTBR(Time Below Range:70mg/dL<)4%未満、TAR(Time Above Range:180mg/dL<)25%未満が目標です。
(2019年米国糖尿病学会にて設定)


一方、高齢者や合併症が進行しているハイリスクの人は、TIR50%以上、TBR1%未満、TAR5%未満を目標とします。
そして、HbA1cの目標値は8%未満です。場合によっては、8.5%未満を目標とすることもあります。


糖尿病治療の目標値は患者さんそれぞれ異なることを理解しておきましょう。

 

 


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