☆本日のポイント
  糖尿病神経障害では「胃」腸の動きが悪くなる

糖尿病の合併症である神経障害。

罹病期間が長い人ほど、発症リスクがあり、症状が悪化していきます。

動きが悪いのは便秘の症状につながる大腸だけではなく、胃の動きも悪くなります。

胃もたれ
早期満腹感
胃の痛み
吐き気・嘔吐

このような症状の場合、胃不全まひが疑われます。

ただ、神経をよみがえらせる治療法は確立していないため、糖尿病神経障害で胃不全まひとなっている場合の有効な治療方法はありません。

胃腸の蠕動運動を改善するモサプリド(ガスモチン)を毎食前に5mgを内服し、胃腸の動きを整えてから、脂肪分の少ないあっさりとした食事をよくかんで、ゆっくりと食べる、これが対症療法の一つとなります。


胸やけがひどい場合には、胃酸分泌を抑制する薬も使います。ファモチジンなどのH2受容体拮抗薬、ランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬、新しい薬ではタケキャブがあります。


胃不全まひを診断する検査はありませんので、診断も非常に難しいです。機能性ディスペプシアである場合もありますし、他の疾患からくるものの可能性もあります。

罹病期間が長く、血糖管理が安定せず乱高下していたり、高い状態が持続していれば、胃不全まひの原因が糖尿病である確率は高いといえます。

胃もたれ、便秘など糖尿病が原因による腸の病気は、糖尿病胃腸症と呼んでいます。

糖尿病患者さんで胃腸の不良を訴える場合は、合併症の可能性も考えておきましょう。
 

 


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