☆本日のポイント
  2022年9月から長期投与開始

薬というのは、治験を経て、処方薬として薬価掲載され、保険診療で処方できるようになります。

そして、発売から1年間は、効果、副作用、想定外の副作用などの発見をより早くということで、14日しか処方できません。

2021年9月に発売されたツイミーグ500mg(成分名イメグリミン)は今月より90日までの投与が可能となりました。

第22回(2021/10/1)でもご紹介したツイミーグですが、長期投与ができるようになったことで、処方しやすくなり、お薬に触れることも多くなるでしょう。ということで、二回目登場のツイミーグ
です!

1.グルコース濃度依存的なインスリン分泌促進(膵作用)

ツイミーグはブドウ糖に対して、濃度依存的にインスリン分泌促進作用を示します。

つまり、血糖値が低いときにはインスリン分泌を促進せず、血糖値が高いほどインスリン分泌を促進する、低血糖のリスクが極めて少ない薬剤といえます。



2.膵β細胞保護

ミトコンドリア機能を改善させることにより、細胞に障害をきたす活性酸素の産生を抑え、膵β細胞を守る働きが期待されています。

ツイミーグは、低下してしまった膵β細胞を回復させる効果が期待されています。

 

3.糖新生の抑制(膵外作用)

ツイミーグは、インスリンシグナル(インスリンの働きをよくする信号)を改善させ、肝臓での糖新生を抑制します。

糖新生は、脂質やアミノ酸など糖質以外の物質からグルコースを合成するはたらきで、これを抑えることで血糖コントロールを改善させます。



4.糖取り込み能の改善(膵外作用)

インスリンは、ブドウ糖を細胞内に取り込ませることで血糖値を低下させます。骨格筋は、血液中の糖を取り込む最大の臓器です。

この作用が十分に機能しなくなることを「インスリン抵抗性」といいます。

ツイミーグは、骨格筋において、インスリンシグナルの改善により、糖取り込み能を改善させる=インスリンの効きをよくする作用があります。
  


というわけで、高血糖で弱っているβ細胞を復活させて、通常のインスリン分泌ができるように手助けし、またインスリンの作用点においても、インスリンの働きによってブドウ糖をしっかり取り込めるようにしてくれる、そして、代謝を改善することで、脂肪肝など異所性脂肪の改善を期待できる、画期的な薬です。何より単独では、ほぼ低血糖にはなりません。

難点は、粒が大きく、1回2錠のむ必要があること、ですかね。
2錠=多い、と勝手に減らしてしまう患者さんもおられるから・・・。しっかり理解して、しっかり内服で、良好な血糖コントロールが得られるようになるといいですね。

 


こちらの内容はメルマガでも配信中

登録はこちらから↓ 

https://www.mag2.com/m/0001694577

メルマガでしか読めない編集後記が人気(笑)



こちらのメルマガも執筆中
2005年創刊メルマガ「糖尿病教室~知識はあなたを救う」
登録はこちらから↓
http://www.mag2.com/m/0000153389.html