逆方向にはたらく2つの自律神経
交感神経と副交感神経
免疫系が適度の強さを持つことが健康の秘訣であることを述べたが、この強さに大きく影響するのが、交感神経と副交感神経である。
まず、この2つの神経系を簡単に説明しておこう。
心臓、肺、胃、小腸、腎臓、膀胱などの臓器が適切にはたらいているのは、互いに逆方向にはたらく2つの神経によって微妙にコントロールされているからだ。
この微妙なコントロールを担当するのが、交感神経と副交感神経である。
交感神経は「緊張の神経」である。
交感神経が興奮して優位になると、心臓のはたらきが盛んになり、血管が収縮し、瞳孔が開き、胃腸のはたらきが抑えられる。
一方、副交感神経は「リラックスの神経」で、これが興奮して優位になると、交感神経と反対のことが起こる。
すなわち、心臓のはたらきが弱まり、血管が拡張し、瞳孔が閉じ、胃腸のはたらきが活発になる。
交感神経と副交感神経のバランス
交感神経と副交感神経のバランスによって人体の内部環境は、わたしたちの意志とは関係なく、自動的に運営されている。
だから、この2つの神経のことを自律神経と呼んでいる。
同じ人でも、あるときには交感神経が優位になり、別のときには副交感神経が優位になる。
また、理由は不明であるが、子どもの頃は副交感神経が優位になりやすいが、大人になり、さらに高齢になると、だんだんと交感神経が優位になりやすくなることが確認されている。
高齢になると血圧が高くなるのは、動脈硬化が進み、血管を血液が通りにくくなるのが要因の1つであることはたしかだが、それに加えて、交感神経が優位になり、血管が収縮することにもよるのである。
(免疫と自然治癒力のしくみ 41頁 エスカルゴサイエンス by生田 哲)