おはようございます、ヘルシーマルシェです。

 

前回「ヤセ菌」についての記事をご紹介しました。

その内容で気になったのが・・・

国による食生活の違いによって腸内細菌が違うはてなマークびっくりマークということ。

 

生まれ持った腸内細菌や酵素遺伝子にあった食生活が大事になるんです。

 

そこで今回はこちらの記事をご紹介しようと思います。

 

 

 

日本人の腸内細菌、その特徴はなに?
米国や中国となぜ違う?

腸内細菌のゲノム解析(1)
国際比較から見えてくるもの

 

 

健康や病気と深くかかわる腸内細菌は「もうひとつの臓器」ともいわれます。腸内にざっと1千種いる、この細菌群、国によって大きな違いが存在します。たとえば日本人の腸内細菌は、隣国の中国とはかなり異なり、むしろ欧州の国々と近い関係にある。直感とは一致しない特徴が、近年の研究からわかってきました。

 

 

 

日本は欧州と近く、中国は米国似

 腸の中のお花畑という連想から「腸内フローラ」とも呼ばれる腸内細菌叢(そう)を丸ごと分析する研究が加速したのは、この10年余りのこと。米国や欧州では、腸内細菌の果たす役割の全体像をつかもうと、国家プロジェクトが立ち上がり、国際研究チームによる国別比較などが活発になっています。

 

 当初から国際チームに参加する服部正平・東大名誉教授によると、腸内細菌の構成は、個々人でもかなり異なり、とても多様性に富んでいます。その一方で、国ごとに比較すると、こうした細菌叢の違いは、さらに顕著にあらわれます。

 

 

 

 

 

 たとえば日本を含む計12カ国の比較をした服部さんらの研究では、国別に大きく3グループに分けることができます(上図を参照)。

 

 日本人のグループは、左上、赤色の点の集まりで、近くにはオーストリアやフランス、スウェーデンのグループがいます。一方、同じアジアの隣国、中国は、米国と重なりあうように真ん中近くに集まり、その横にスペインやデンマークの人たちが目立ちます。また、左下のスペースには、ペルー、ベネズエラ、マラウイの3カ国が集まっています。

 

 この3分類で不思議なのは、日本と中国の関係です。地理的に近く、同じアジア人、食習慣も似ているはずなのに、なぜ腸内細菌の特徴が異なるのか、辻つまがあいません。調査対象とした12カ国について、食事からとる栄養素の構成でグループ分けしてみると、(1)たんぱく質の多い欧米諸国(ロシアを除く)と(2)たんぱく質が少ない食事をとる、それ以外の国々(日本・中国・南米・アフリカ)の2グループとなり、腸内細菌のグループ分けと一致しませんでした。

 

 

 「食生活よりも腸内細菌の形成に影響を及ぼす、別のファクターが存在していると考えられます。それがなにかを明らかにしていきたい」と服部さん。ひとつ、候補にあがるのが、抗生物質など、薬剤の影響です。たとえば抗生物質は、腸内細菌を弱らせたり、殺したりする力がつよく、薬として飲むだけでなく、食事や環境のなかなど、様々な形で存在します。その結果、全体としてどんな影響を与えているかを注意深くみる必要があるといいます。

 

 

 

日本はビフィズス菌が多く、
古細菌が少ない

 

 一方、日本が入るグループは、ビフィズス菌として知られる「ビフィドバクテリウム属」と「ブラウチア属」の細菌が多いことが特徴のひとつです。このほか、日本固有の特徴として(1)他の11カ国では普通にみかける古細菌が目立って少ない、(2)炭水化物などを栄養素として活用する代謝機能が優れている、(3)日本人の9割はノリやワカメなどを分解する酵素遺伝子をもつ、といったことなどもわかってきました。

 

 

 いま日本は世界一の長寿国。先進国のなかで太りすぎの人の割合がとても少ないことでも知られています。「こうした長寿や健康面の特性が、腸内細菌と関連しているのではないか。日本人の腸内細菌は、世界の研究者の間でも、注目を集めています」(服部さん)。

 

 

 ほんの10年余りで、腸内細菌研究が一気に進んだのは、技術革新のたまものです。きっかけは、ヒトの全遺伝子を解明する「ヒトゲノム計画」。このプロジェクトのなかで、遺伝子解析のノウハウが蓄積され、その後の遺伝子解析機器(次世代シークエンサー)の高速化とあいまって、腸内細菌群のDNAを一気に調べることが可能になりました。

 

 その結果、わかってきたのは、健康や病気に対する腸内細菌の影響は、従来、考えていたよりはるかに大きいということです。

 

 なぜなのか。たとえばヒトゲノム計画でわかったヒトの遺伝子の総数は2万2千個ほど。これに対して、腸内細菌由来のものとして、1000万個を超す遺伝子が見つかっています。ひとりの腸内細菌のなかに、こうした遺伝子すべてが含まれるわけではないものの、ヒト固有の遺伝子や機能だけではできない多くのことを、腸内細菌は受け持っている形です。

 

 肥満や糖尿病や高血圧など、いわゆる生活習慣病から、うつ病など、ストレスとも関わる心の病や大腸疾患、さらに花粉症といったアレルギー、そしてがんの治療法まで、腸内細菌は、それぞれの病気の原因や治療法に大きな関わりをもっています。健康や病気について、腸内細菌抜きで考えることは、もはやあり得ない。そんな時代がやってきています。