おはようございます、ヘルシーマルシェです。
最近糖質制限ダイエットによる健康被害が問題になっています。
糖質制限ダイエットの後、接種障害になる方、リバウンドに苦しむ方。
今回はいろんな記事を見ている中で、とても勉強になったと思うこちらの記事をご紹介したいと思います。
内容は、実際の高齢者のお話ですが、これは高齢者に限ったことではありません。
若年のうちから同じような生活をしていたらどうなるでしょうか?
考えさせられる内容でもあります。
炭水化物を毎日食べるほうが長生きする…管理栄養士が「100歳まで歩きたいなら
糖質制限はやるな」と警告するワケ
私たちの体や心は、食べたものの栄養をエネルギーにして“活動”するので、食事の偏りは活動とその結果に直に反映されます。
健啖家は栄養の偏りが起こりにくい。そのため元気に活動し、それぞれの目標や長寿をかなえる近道を歩める、そんなふうにご理解ください。
そもそも、「食べる」ということは体力を要する営みです。「きちんと食べられる」というのは元気な証拠と言えると感じています。
食欲がきちんとあってこそ、「食べる」ことについて考えられ、買い物や調理、外食をする行動力があり、食べたいものを食べて、消化吸収でき、排泄にも問題がない。そうでなければ、健啖家ではいられません。
「タンパク質のとりすぎ」&「糖質の控えすぎ」が実に多い
例えば「孫が遊びに来るから、上等なステーキを食べに連れていく」「土用だからいつもの店からうな重をとる」などと聞くと、私はうれしく、うきうき、食欲がわいてきてしまう。ずっとそのように、しっかり食べてこられたのがわかって、尊敬の気持ちでいっぱいになります。
健啖家は、一朝一夕にして成らず。すこやかな食習慣の賜物なのです。
ところが最近、健康を守ろうと思ってしている食生活が「偏食」に傾き、栄養が偏ってしまう状態をまねいている中高年が増えています。
とりわけ目立つのは「タンパク質のとりすぎ」と「糖質の控えすぎ」の重なり。
この困った現象は、次のような情報がマスコミなどからたくさん発信されることで、みなさんの記憶に刻まれていることが原因のようです。
・中高年になっても筋肉を維持するために「タンパク質」をとらなければいけない。
・糖質をとりすぎている人が多く、肥満の原因になっている。
・糖質のとりすぎで起こる「糖化」「炎症」は多くの病気の原因になっているので、糖質を控えたほうがいい。
太りたくないからと「納豆、小魚、刺身」生活を続けていたら…
確かに、それぞれの理屈は間違いではありません。こうした情報が盛んに報道される背景にも、理解できる面はあります。
しかし、これらの理屈だけに着目し、タンパク質ばかり食べすぎ、糖質を控えすぎてしまう人が増え、偏食になって、体調に影響が出ています。
そのような食べ方では結果として、期待した「筋肉アップ」や「健康」にはつながらないことがあるとは知られないまま、「タンパク質増」「糖質オフ」だけが知れ渡っているのです。
先日、初老の女性が話しかけてくれました。
「朝や昼にはたまごを食べて、納豆や小魚を食べて、もうそれでお腹いっぱい。夜は刺身と豆腐を食べたら、主食のごはんは食べられない。でも、年をとったらタンパク質が大事で、ごはんは食べなくてもいいんですよね。筋肉を減らさないように、がんばっています」と。
そこで私は念のため、「あなたは、その食事がおいしいですか?」とうかがってみました。すると、「本当はごはんと一緒にお魚を食べるほうがおいしい。でも我慢しています。タンパク質を食べたら、食べられないから」というお返事でした。
聞けばご主人にもタンパク質優先で食事を出しているそうで、長年、「低脂肪の食事」も心がけてきたそう。おかげで夫婦そろって痩せ型で、メタボとは無縁でした。しかし、さらに体重が落ちてきたので、ちょっと心配になってきたとのことでした。
炭水化物を抜くと、タンパク質も正しく吸収されなくなる
これは一大事! なぜならその体重低下は、彼女やご主人が危惧する筋肉の減少や、フレイル(加齢による虚弱)の始まりのサインかもしれないからです。
食生活を見直してもらうために、私は「お魚(タンパク質=タンパク源)」と「ごはん(炭水化物〈糖質〉=エネルギー源)」の栄養について説明をしました。タンパク質と炭水化物は、どちらも脂質・ビタミン・ミネラルとともに体にとって必要な5大栄養素に含まれます。
ごはんを食べないで、エネルギー源が不足した状態が続くと、せっかく食べたタンパク質が、本来のタンパク質のはたらきをしない、言わば「おばけタンパク」になってしまうこと。
体はなにより「エネルギー源の確保」を優先しますから、糖質のエネルギーが足りないと、まず脂質がエネルギー源として利用され、さらに足りなければ、タンパク質がエネルギー源として利用されるしくみがあるのです。
食生活の傾向と体型、体重変動、生活習慣などを聞いた結果、私は「タンパク質がエネルギーとして利用されてしまっている可能性が高い」と感じたのでした。
体の構成成分になるべきタンパク質がエネルギー源として使われてしまうと、体の骨格や筋肉にも影響してしまいます。
先の彼女は、体の構成成分になるタンパク質を多くとるのが目的だったはずなのに、糖質が足りていないがゆえに、タンパク質が用をなしていなかったのです。
これは、彼女だけの話ではありません。いま、多くの人が、筋肉を維持するため、免疫力を高めるために、「タンパク質を食べなければ!」と思い、せっせと食べています。
しかしその結果、食生活が偏ると、タンパク質は思うような栄養になりません。とくに痩せ型の人の場合、タンパク質を削ってエネルギー生産することになります。
高齢期に入り、全体的に食べる量が減ったり、消化や吸収する能力が低下していたりする場合にも、偏食が思いもよらぬ悪影響を及ぼすことは多いです。
ごはんやパンは普通に食べていい
実は、医療や介護の現場でも、同様の問題が起きていることがあります。
あるとき、大学で学生とともに、施設のひと月分の食事内容と栄養についてチェックする機会がありました。
おかず(主菜と副菜)は同じ献立で、主食は、それぞれ患者さんの噛む力、飲み込む力に合わせ、食べやすい状態に調整したものでした。
「普通に炊いたごはんの通常の1人前の120g」「普通に炊いたごはんの少なめ60g」「ごはんをおかゆにしたペースト状にしたごはん60g」、「完全なゼリー状のごはん60g」の4パターン。
栄養を補うなら、タンパク質と炭水化物もしっかりと
この食事は、一見、十分な食事に見えますが、栄養価を調べてみると、これらの4パターンの食事は、タンパク質や脂質に大きな差はなかったものの、普通に炊いた一人前120gのごはん以外は、炭水化物だけが極端に少ないことがわかりました。ごはんをおかゆにすると、カロリーが減ってしまいますが、食べやすさを優先して水分を多めにした食形態では、1食の炭水化物、つまり「糖質」が足りていない状態になってしまっていたのです。
施設の職員たちは、「おやつにタンパク質を足しましょうか?」と言いましたが、足りなかったのは、タンパク質ではなくて、炭水化物だったのです。
脂質やタンパク質は十分。しかし、炭水化物(糖質)が足りていないと、タンパク質や脂質がエネルギーに回され、結果としてタンパク質が不足してしまいます。
医療や介護の専門職も「高齢者のタンパク質不足」にばかりに目が向いていることがあります。栄養を補うなら、タンパク質ではなく炭水化物を補うのが早道。つまり、おやつ(補食)はおせんべいや、冷凍のホットケーキと牛乳、バナナにヨーグルトを添えたものなどがいいのです。
前項の夫人は、「行政から配布されるパンフレットにも、タンパク質、タンパク質と書いてあったから」と言っていました。だから「がんばってタンパク質を食べている」と。行政の保健担当者は「食べすぎ」をまねくつもりはないでしょうが、誤解のモトになってしまっているのです。
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