おはようございます、ヘルシーマルシェです
2週間前の暖かさが嘘のように寒いです!!
寒さが苦手な私にはこの寒暖差堪えています
先週 2021年開催の「医療同源・玄米で健康」シンポジウムの内容をシェアしました。
その中で触れられていたコロナのXファクターは『コメ』だという渡邊昌理事長の記事をシェアしようと思います
ウィルスも日々進化、状況も変わってきています。
もちろん、玄米を食べれは罹患しない!!ということにはなりません。
それでも、日々の食事で免疫力を上げることも重要なのではないでしょうか?!
コロナのXファクターは『コメ』だという渡邊昌理事長
【熊野孝文・米マーケット情報】
玄米を食べると腸内環境が変わる
1兆5000億円という金額を聞いて何を思い浮かべるか? コメ業界関係者ならコメの生産額と言うかもしれないが、医療業界関係者なら腎臓病患者にかかる人口透析等の年間支出額と答えるかもしれない。この巨額な医療負担を食事によって少しでも改善できないか研究を続けていた、メディカルライス協会の渡邊昌理事長が腎臓病患者でも美味しく食べられる『低たんぱく玄米』を開発、今年6月に京都で開催される日本抗加齢医学会で発表する。この成果も素晴らしいことだが、渡邊理事長はコロナのXファクターは『コメ』だと言っている。
渡邊理事長は国立がんセンターの免疫部長から転じて東京農業大学で機能性食品を研究、大豆のイソブラボンの健康効果などを発見、さらには国立健康・栄養研究所の所長を歴任するなど食と免疫の分野の第一人者。その渡邊理事長が「日本の新型コロナ感染者・死者が少ない理由」という小論文を発表した。この中で、日本人に死亡が少ない要因=Xファクターは「コメ」だと言っている。
なぜそう言えるのか? 渡邊理事長に会って直接聞いてみた。その答えは専門的なので著者の知識ではとうてい解説、要約出来かねるので、理事長の答えをそのまま記載する。
「『文科科学広報』にも出たばかりですが、コメを食べる人は特有の腸内細菌を持っているのです。ファーミクーティスという腸内の細菌がいるのですが、それが酪酸を作るのですね。腸内細菌のつくる炭素脂肪酸は今やホットな話題ですが、酪酸が腸上皮のレセプターに結合し粘膜下に情報が伝えられると未熟T細胞を制御T細胞に成熟させます。このT細胞がコロナに感染した後のサイトカインの過剰反応を抑えるのです。だから重症化しないという事が分かったのですよ。
私はコロナが流行し始めた頃、これは自己免疫の問題だと海外の専門誌の巻頭部分に数ページの論説を書きました。私たちはそれまでに花粉症のS-IgAを研究していました。血中のIgAは粘膜に出て行く時に分泌因子SCが結合し、sIgAと言う形で内腔に出ますが口腔内や腸管内の濃度は血中濃度とは関係ないという事を見つけていました。IgA欠損症と言うのがありますが、IgA欠損症の多い国はコロナ感染症も多いという事を見つけたのです」
「その発表までコロナ感染症とIgAに触れた研究はなかったのですが、IgAと粘膜免疫の関係が研究され始めました。それと同時にコメを食べている国はコロナが少ないという事を見つけたのです。OECD20カ国であまりにきれいな逆相関でしたので偶然の可能性だといけないと思い、では小麦を食べている国はどうかという事で調べてみると小麦を食べるほどコロナが多かったのですよ。それまで日本は海外に比べてコロナの罹患や死亡が少なく、なぜかということが話題になっていました。これは大変なことだという事で発表したのです」
―それはどうしてなのですか。
「どうしてなのか科学的に詰めないとなかなか信じてもらえない。たまたま我々は農水省のボランテイアの人たちと玄米おにぎりをたべるとどうなるのかという臨床試験をしていました。これは腸内細菌と短鎖脂肪酸の変化を同時に追跡するという世界初の研究となりました。玄米を3ヵ月食べ続けると腸内細菌のパターンが変わって、酪酸をちゃんと出すという事が分かりました」
―玄米を食べると腸内環境が変わるという事ですか。
「そう。
玄米を食べると細菌の多様性が増してきて酪酸が相対的に多くなる。
そうする免疫系に働きかけ、制御T細胞を作る。
それで全体のメカを増やす。
それが免疫系を安定化させているのだろう、という全体のメカニズム
がこうだと言えるところまで来た。ミッシングリングがつながったのです。日本でコロナが少ない要因Xファクターは何だという事で山中先生を委員長とする委員会がありますが、IPS細胞を作って治療薬の発見に主力を置いています。我々は、疫学的にXファクターはコメだと言っているのです。世界20か国の現象を一つのもので説明できるのはこれ以外のものはありません。
長年の食生活がsIgAをつくっている、また免疫全体に関係している、ということで説明がつきます」
―それはどうしてなんですか。
「免疫グロブリンには免疫を作るときにIgMと言う抗体が出来て、それがIgG,IgAと言うのが出来て来るのです。それでこのIgAが上皮のセクレタリーコンポネント、SCと言うのに付くと口腔に出て行くわけ。口腔に出て行くsIgAは分子量が大きい。その中央にタワシの毛のようなものがいっぱいついている。ここに非特異的にウイルスを吸着して体外に排出してしまう。それが口腔内だとつばに出るし、腸管に落ちたものは屎尿として出して行く。だから屎尿からウイルスが見つかるのでしょう」
米を主食とした国のほうが、小麦を主食とした国より、COVID-19(新型コロナウィルス肺炎)の感染率が低い、との統計的解析結果が明らかになった。渡邊昌東京農大客員教授(元国立がんセンター研究所疫学部長、メディカルライス協会理事長)と飯沼一元(株)ライステック社長(工学博士)の連名による論文「Low COVID-19Infection and Mortality in Rice EatingCountries」のなかで明らかになったもので、論文は去る6月25日、アメリカのオンライン研究誌「Scholarly Journal of Food andNutrition」に掲載された。
論文によると渡邊教授らは米の消費量とCOVID-19感染者数(6月6日時点)の相関を、5大陸19か国(カナダ、アメリカ、メキシコ、アルゼンチン、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、ロシア、中国、日本、インド、インドネシア、韓国、南アフリカ、トルコ、サウジアラビア、オーストラリア)で統計解析。横軸に国民1人あたり米消費量(kg)、縦軸に人口100万人あたりCOVID-19感染者数をとってプロットすると、「負の相関関係」にあることが分かった(決定係数0.5916)。また横軸を小麦消費量に置き換えると、「正の相関関係」にあることが分かる(決定係数0.4879)。
論文のなかで渡邊教授らは「米食者は腸内細菌がよく、免疫機能が高くなり、感染を抑制しているのではないか」と推定。今後のCOVID-19対策として、「特に玄米食や米糠の利用、全粒粉の普及など食生活の工夫や、農業政策にも目を配っていくことが望まれる」と指摘している。また「キスをする習慣(欧米)やマスクをする習慣(アジア)などを加味(補正)して計算すると、よりハッキリとした相関関係が浮かび上がってくる」とも。
〈米麦日報2020年8月12日付〉
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