重病を笑いで治すーその(Ⅴ) | healthy-johoのブログ

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ユーモアと笑いで免疫系のはたらきを高める


ユーモアと笑いの効能の第4は、ストレスによって弱まった免疫系のはたらきを高めることである。


 


ストレスが免疫能力を低下させることは以前から知られていたが、 ユーモアと笑いが免疫力におよばす影響の研究が始まったのは1980年代の半ばからである。


 


次に、この分野で最先端を走る、ロマリンダ大の精神神経免疫学者り一・バークの研究成果を紹介しよう。


彼のグループは、ユーモアと笑いの免疫系におよぼす効果を、健康な男性を対象にして調べた。


実験方法は、1時間のコメディビデオを鑑賞してもらい、その前後に男性から血液を採取し、免疫細胞、 イムノグロブUン(抗体、略してlgと表記)、免疫系ではたらく特別のタンパク質である補体、サイトカインの活性を測定するというものだ。


この実験の対象者となったのは、27±3歳(平均年齢27歳)の健康な医学部の男子学生52人。


対象者を男性に限った理由は、女性では生理サイクルのために免疫能力に変化が生じるからである。


彼らは、ふだんの生活で処方薬も大衆薬も服用していないし、アルコール飲料も摂取しない。


実験の当日はエクササイズも性交も禁止である。


また、鑑賞したコメディビデオは、ギャラガー主演の「オーバー・ユアヘッド」。


 


結果はこうだ。


ビデオ鑑賞後のNK細胞活性は、鑑賞前よりも58%高まった。


NK細胞は、人体で自然発生するがん細胞を発見し殺傷する守護神である。


イムノグロブリン(lg)にはlgA、lgM、lgGなどがある。


 


バクテリアやウイルスに対する上気道感染を防ぐのがlgAのおもな役割だが、この量はビテオ鑑賞後に14%増えた。


だから、笑いはかぜを防ぐのに効果があるはずである。


 


ウイルスによる感染と戦う主役がT細胞がかかわる免疫である。


これが活動を始める直後に生産されるのがlgMで、lgMは20%上昇した。


 


イムノグロブリンのなかで人体にもっとも多く存在するのが、lgGで、免疫能力を長期にわたり保っている。


ある特定の病気に対する免疫力を獲得するためにワクチンを摂取するとき、lgGは、 免疫がうまく獲得されたことを示す指標となっている。


この量は21%上昇した。


 


また、抗原や毒素を捕らえて無毒化する補体は67%も上昇した。


 


サイト力イン活性では、がん細胞を撃退するガンマ-インターフェロンが、鑑賞前より125%も増えた。


 


この実験から次のことがわかった。


コメディビデオを鑑賞することで、免疫系のはたらきが著しく高まること、しかも、この効果はビデオ鑑賞後、 12時問以上も持続したことである。


パークはこう語っている。


「陽気な笑いのプラス効果は、ストレスとこれにかかわるストレスホルモンの放出を低下させるばかりか、 病気と戦うのに欠かせないNK細胞を増加させる」と。