こんにちは。からだプランの橋本です。普段は総合診療医として働いています。先日私の外来に受診された、「違う病院での話も聞いてみたい」という患者さんとの会話をご紹介したいと思います。
患者さん 「先生、初めまして。色々な病院で異常がないと言われて、ここに来ました。」
橋本 「なるほど、ちょっと詳しく教えてもらえますか?」
患者さん 「疲れてくると、胸が強くドキドキしたり、胃が痛くなったり、息苦しくなったりしてしまいます」
橋本 「なるほど。今まで、心電図やCT、人間ドックまでやって、何も異常が無かったみたいですね。」
患者さん 「そうなんです。そんなわけないと思うんですが、これって気のせいなんですか?とっても辛いですよ」
橋本 「難しい言葉ですが、器質的疾患を認めず、自律神経に関する症状がある時、自律神経失調症と言ったりします。」
患者さん 「なるほど、それ前の先生にも言われました。私どうしたらいいんでしょう。」
橋本 「もし自律神経失調症の場合、性格や価値観なども大きく関係してきますので、長い治療になる事もあります。きちんとお話をしましょう。」
患者さん 「よろしくお願いします。」
いつもは冗談ばかりの外来なのですが、自律神経失調症の診断をされている患者さんは、かなり本気で悩まれている方も多いので、私も信頼関係が出来るまでは真面目にやっています(・ω・)ノ 今日は自律神経失調症について書いてみたいと思います。
☆自律神経って何?
人間は神経によって、身体の動きを調整されています。例えば、手足は意識的に動かして、物を手に取ったり、歩いたりすることが出来ますね。これは神経のおかげです。
他にも、内臓を動かしたりする神経があります。例えば心臓を動かしたり、腸を動かしたりする神経です。これは意識的に動かすことが出来ないため、自立して動いている神経という意味で「自律神経」と呼ばれています。
自律神経には二種類あり、「動かすぞ~~」と頑張る神経と、「動くな~~」と頑張る神経があります。これを、交感神経と副交感神経と呼びます。
例えば、人は心臓を動かす時に、早く動かしたい時は交感神経が、ゆっくり動かしたい時には副交感神経が頑張る事で、丁度いいペースを保っています。
また、呼吸に関しても、早くハアハアして酸素を沢山取り込んだり、ゆっくりハアハアして落ち着いたりします。
同様に、熱なんてのも、自律神経によって高くなったり低くなったりするのです。
胃から胃酸が出る時も、同じような感じです。
このように、自律神経である交感神経と副交感神経は、うまくバランスをとって、人間の身体を調節しているのです。ちなみにこれは無意識なので、メンタルの影響をすごく受けやすいものです。
☆自律神経のバランスが悪いときの症状
さて、そんな自律神経のバランスが崩れた場合はどうなるでしょうか。つまり、交感神経が働き過ぎてしまったり、副交感神経が働き過ぎてしまったりするという事です。
心臓の場合はどうなるでしょうか。交感神経が頑張り過ぎてしまった場合には、「ドキドキしてしまう」という動悸の症状になります。
肺や呼吸の場合はどうなるでしょうか。交感神経が頑張り過ぎてしまった場合には、ハアハアしたり、息苦しくなってしまう症状として現れてきます。
微熱やほてり、胃酸が出過ぎてしまって胃が痛い、下痢、便秘、だるいなど、様々な症状として現れてきてしまうのです。
☆実際に症状はあるが、検査は正常
ところで、自律神経失調症かどうかは、どのような検査で分かるのでしょうか。残念ながら、自律神経は身体の中にある神経なので、自律神経の量や質など、数字で図る事は出来ません。そして実際、色々な検査をしても、異常が出なかったりしてしまいます。
また、自律神経失調症の定義も、「器質的病変が無いにもかかわらず、様々な不定愁訴を訴える」とあり、検査では大きな異常を認めない事が、診断の条件となっています。
まとめると、自律神経失調症は、原因となる病気が見つからなかった場合に、初めて診断されるものなのです。
☆でも辛い!どうしたらいいの?
自律神経のバランスが崩れる理由は、その人の性格や価値観、生活環境など、様々な要因が重なりあって出来ています。しかし、価値観や性格を変える事は、しばしば困難です。そのため、からだプランでお勧めしている方法は、生活習慣の改善です。
①食事を考える
脂っぽい食べ物を控えたり、野菜から食べるようにしたり、噛む回数を増やすようにする、などのなどの対策が非常に重要です。食事については他のコラムでもたくさん書いているので、楽しく読んでくださいね。自分に合った方法を見つけるようにしましょう。
②運動をする
運動をして、身体の余分な脂の量を減らします。有酸素運動と無酸素運動を組み合わせるといいでしょう。からだプランでは沢山のプラン(健康体験)を紹介していますので、色々なものに挑戦してみてくださいね。
③きちんと睡眠をとる
きちんと睡眠をとるようにすると、昼間の気分が変わったり、おかげで運動量が増えたりします。そうなると、昼間の動きで疲れて、夜に良く眠れるようになるという、素敵な生活習慣が出来るようになります。
④他の方法
自律神経失調症は、性格や価値観が大きく関係していると言いました。他のコラムで自律神経失調症を改善するための、メンタル面でのアプローチについて書いておりますので、興味がありましたら読んでみてくださいね(*´▽`*)
☆今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。からだプランでは、このような健康コラムで知識を、プラン(体験)で実際に身体を動かして、女性が理想の身体を目指すために必要なホームページを作っています。是非一度ご覧くださいませ。頑張って作っているので、きっと楽しいと思います(*´▽`*)
以上、からだプラン代表医師の橋本でした。