皆さんこんばんは。
今日は、木炭が有するグラファイト構造と、ダイヤモンドの違いについて考えてみます。
なぜこの2つを比べるのかといいますと、木炭が有するグラファイト構造とダイヤモンドは同じ炭素という元素でできているのですが、性質はまったく異なるのです。
まず、ダイヤモンドですが、
・非常に硬い
・電気を通さない(絶縁体)
という特徴があります。
一方、グラファイトはというと
・柔らかい
・電気を通す(半導体)
という特徴です。
このようにそれぞれ正反対の性質を持つのですが、なぜこのような変化が生じるのでしょうか。
両方とも炭素という同じ元素で成り立っているのですが、炭素には結合できる手が4本あります。
ダイヤモンドは、その4本が全て周囲の炭素との結合に使われ、非常に安定した構造をとります。
少々わかりづらいですが、正四面体の中心を炭素とすると、結合している周りの炭素はちょうど正四面体の頂点にくるように配置しています。
一方、グラファイトは炭素の4本の手の内3本は周囲の炭素との結合に使われますが、もう1本の手はグラファイト層同士の弱い結合に使われます(この結合に関与している電子をπ電子といいます)。このπ電子は自由に移動できる性質があるので、π電子が移動することで電気が流れるようになります。
過去にも、グラファイトのπ電子に関する記事
を載せていますので、そちらもごらんください。
このように、元素が同じであっても構造が異なる関係を同素体と呼びます。
例えば「オゾンと酸素」や「黄リンと赤リン」なども同素体の関係にあります。
このように、元々は同じ元素でできていても結合の仕方によって性質が大きく変わる場合があるのですね。