年が明け、国家試験まであと2ヶ月となっても、パチンコ屋へ行く日々が続いていました。
その頃になると、パチンコを教えてもらった父には現状を報告していました。
父は優しいので、「あんまり無駄遣いするなよ」程度で済んでいました。
しかし、日々のパチンコへの浪費とお金の無心を不審がった母親が、父親に相談したそうです。
父は現状を包み隠さず話しました。
その日も、私はパチンコへ来ていました。
その頃になると、国家試験が近づいているにもかかわらず勉強が進んでないという現状から、うつ病の症状が悪くなり、その現状から逃げ出すためにパチンコに通い、浪費し、罪悪感に苛まれ、さらにうつ病が悪化するという悪循環に陥っていました。
その日もパチンコ台の前に座っていました。
するとケータイのバイブがなりました。
何だろうと確認すると父からのメールでした。
「お金の使いすぎで、パチンコが母親にばれました。」
その瞬間、全身を冷たいものがサーっと流れ落ちて行きました。
目の前の台では、大当たりの連チャン中のなのに、さっきまでの興奮が冷め、早く連チャン終われ!と思い出しました。
十数分で連チャンも終わり、換金もそこそこに、父親に謝罪のメールを送りました。
その後、母親に電話を入れ、謝罪しました。
母親は、あまり怒らず(呆れていた、情けないと思っていたのかもしれません)、電話を終えました。
罪悪感の絶頂にいました。
パチンコに行きたいという気持ちがなくなりました。
翌日になっても、パチンコに行きたいという気持ちは湧いてきませんでした。
パチンコで当たると、脳内に麻薬物質が出るといいます。
その麻薬物質が、依存を起こすと言われていますが、私もそうだったのでしょう。
その麻薬物質が出ている最中に、それよりも強い衝撃(父からのメール)が届いたことで、急に依存が治ったようでした。一種のショック療法とも言えるかもしれません。
依存症は脱したものの、罪悪感からうつ病は悪化していました。