今期のドラマで、「お母さん、娘をやめていいですか」というタイトルのドラマ。

怖いもの見たさで、毎回見ています。
 
 
 
第3話では、娘が自分から過保護、過干渉の母親に境界線を引きはじめ、彼氏(松島)と付き合い始め、少し進歩しはじめてホっとした感じでしたが、一方、母親の方は、娘が自立していくことにとても寂しい気持ちや悲しい気持ちを強く感じていて、それがとんでもない行動へと走らせている。その母親のとる行動は、ちょっとクレイジーなまでの、ストーカー的な行動。(もともと、娘のデートを影から見張っていた母親ですが)
 
そして、美月の母親(顕子)の母親(現在老人施設に入っている玲子)との関係も今までからチラチラと出てきてはいたけれど、今回の放送で、玲子が「わたしはあの子を育て間違えた」と、自分の育て方を後悔し、自分の娘への申し訳ない気持ちを、孫である美月にフっと漏らしました。
 
ーーーーーーここからは、ドラマを見ての、わたしの反応です。ーーーーーーー
 
わたしは、このセリフの流れ弾に当たって、涙が溢れてしまいました。えーん
私の母も、同じセリフを私に言ったことがあるからです。
 
私が高校生か大学生のころ、何かに挫折をして、「もう生きていても仕方がない」みたいなことをフっと母に漏らしたとき、母は急に激怒して、「親より先に死ぬことほど親不孝なことはない!もう二度とそんなことはお母さんの前で言わんといて!」と言い、バーンとドアを閉めて部屋から出て行きました。
 
その時に、言われた言葉、「私が、あんたの育てかたを間違えたんかな」と、一見すると、母が自分自身を責めている言葉のようですが、私にとっては、母が育て間違えて出来損ないになった私を見てがっかりしている、というふうに思えました。(母が育て間違えて出来上がった)自分という存在を全否定されたような気持ちがしました。
 
わたしは、そのとき、母にだまって抱きしめて「そうか、そんなに辛い気持ちになるようなことがあったんやね」と私のしんどい気持ちを受け止めて欲しくて、弱音を吐いただけなのに、抱きしめてくれるどころか、私が弱音を吐くことは、母にとっては不名誉な出来事であり、受け入れがたい出来事なのだと察したわたしは、母に対して、二度と弱音をはくまいと思いました。私が弱音を吐くことで、母が悲しみ、傷つき、苦しむのだと心の奥深くにインプットされたのです。
 
母がこのような反応を示したのには理由がありました。それはずっとずっと後になってから、私が母に、母の二人の兄のうち、下の兄が、亡くなったのはなぜかと尋ねたときに母が話してくれたのですが、母の下の兄は若くして自殺をしてしまい、首をつって亡くなっているところを最初に発見したのが、当時大学生ぐらいだった母だったのです。相当なトラウマだったに違いありません。
 
また、母の父(私の祖父)は男尊女卑な考えを持った人だったそうで、二人の息子たちには大学まで進んでしっかり勉学に励むようにと言いながら、娘である母に対しては、大学に行きたいと言っても、許してはくれず、「女は勉強なんかせんでいい」と言われたそうで、母は府立の短大にしか行かせてもらえなかったそうです。そのことに母が反発して、祖父に抗議をしたら、祖父が母に手を挙げ、殴ろうとしたところを、母の母(私の祖母)が体を張って間にはいり、祖母がかわりにまともに祖父の拳を受け、吹っ飛んで青あざを作ったそうです。
 
母は、私のことはけっこう厳しく育てたのに対し、10歳年下の弟には、まるで孫を見るような優しい表情で、目に入れても痛くないというような態度で大切に大切に可愛がって育てました。弟には一度も怒鳴って叱ったことがなく、私が辛いことがあって母に甘えたいときも、弟が母の腕の中にいて、甘えることはできませんでした。
 
最近になって、母が言っていたのですが、その理由は、弟がとても繊細な子で、亡くなった母の下の兄とオーバーラップして見えたからだと母は言いました。(それを聞いて、私だって相当繊細なんだけど、、、と言いたかったけど、ぐっとこらえました。)
 
もっと小さい、弟が生まれるより前にも、私が泣きたい時、抱きしめて欲しい時、母はいつも私に「つよい、つよい、泣くな」と私に強くあることを求めました。つよいこと、泣かないことが、良いことなのだと、幼い心にインプットされたのでした。
 
ありのままの気持ちを押し殺して、我慢強く、泣かずにいることが良いことだとずっと無意識に信じてきたので、わたしは本当の自分を偽って生きて来た、弱い自分を見せまいと強がって生きて来たということを、最近になってやっと自覚したのです。
 
それまで、ただ、生きづらさと、寂しさと、空虚感と、見捨てられ不安のような気持ちを抱えながら、半世紀以上も生きてきてしまいました。
 
いま、ようやく、そんな自分としっかり向き合って、愛着障害を乗り越えようとトライしているところです。またそのステップについては改めて綴ってみようと思います。
 
 
そんなわけで、あのドラマを見ていて、ただザワザワしていた1回、2回の放送でしたが、3回目で、意外なところで流れ弾に当たりました。。。。