ウエイン・Ｗ・ダイアー博士は数々の本を出版していますが、彼の初めての自叙伝入りのすばらしい本が出版されました。今年７４歳になる彼ですが、アルコール依存症の父親が家を出て行き、貧しい時代背景もあり、孤児院で育ちます。両親の家系で学歴のある人もいない家族の出で、高校時代の成績が悪すぎたために、後に大学に入るときにネックとなりますが、自ら大学側と交渉してウエイン州立大学（たまたま同じ名前）に入学できます。
高校を出て軍人として働いた４年間任期の最後の１年半は、給料の９０％を大学の学費として貯金し、大量の本を読み語彙を増やし、知識を増やし、大学に入るための準備をします。働くことの方が大切だったこともあり、高校の成績は悪く、それがネックになり大学側からコミュニティカレッジに行ってから編入して入ることを勧められますが、彼の行動力とネゴシエーション能力で見事に入学の願いが叶います。
在学中は授業が楽しくて一度も休んだことなどない彼ですが、４大を卒業後、修士号、博士号を取得し、教授になりますが、家族がありながらも、安定した未来より、心が喜ぶ生き方を選びます。
自己実現、自己啓発、セルフヘルプに関する数々の本を書いてきたわけですが、この本はただの啓発本だと思われるかもしれませんが、奥が深い内容で、今の彼だから書けたのだと思います。“I can see clearly now”というタイトルはピッタリで、今だからあの時にあの経験をしたのだとネガティブに思える経験も含めてすべて自分に起こることはすべて自分に責任があり、決して誰も被害者ではないことを教えてくれます。
彼自身が経験した、その時は一見問題に見えることは、すべてどれだけ必要な経験であったかを教えてくれています。奥さんと子供三人を捨てた父親は、養育費も払わず、母親の葬式にも現れず、父親に会ってみたかったウェインは父親への怒りを持っていましたが、今となっては、彼のおかげで本当の自立を果たせこと、今の自分があること、亡くなった父親が今では無償の愛でいてくれていることを感じて生きているそうです。
慈悲深く、平等で、自分が信じることを行動に起こし、人が幸せに生きることための手伝いができることに情熱を持ち、自分の直観と創造者としてのパワーを何よりも信じて行動することで数々のミラクルを経験してきたことを、謙虚な目で捉え、伝えてくれています。
彼の行動力はミラクルを起こすミラクルメーカーになくてはならない要素で、結果に執着しないで行動を起こすことでシンクロやミラクルが起きることを教えてくれています。量子論的な見方、またエゴの自分ではなく、ハイヤーパワーとしての自分を生きる彼の生き方もこの本から学ぶことができます。小さい時から“I am a teacher.”と自身がティーチャーとして生きるために生まれた魂であることを認識しています。長生きして、世界中の人をインスパイアし続けてくれることを願います
早く日本語に訳されて多くの人の自己実現のヘルプになりますように。
余談ですが、裏庭にイエローグリーンの鳥が卵を３つ温めているのを発見。何ていう鳥か知らなかったのですが、調べたところ、orange-crowned warblerといって、日本ではサメズアカアメリカムシクイというそうです。（名前と見かけが一致しないような、、、）無事に生まれて育って羽ばたいていってくれますように。
