二日酔いや気象病に効く漢方薬
水(津液)
水(津液)は唾液や汗やリンパ液、胃液、鼻水など血液以外にかかわる体液です。
水は皮膚や関節、内臓などの部分に水分と栄養を与えます。
体の不調が慢性化して水に影響を及ぼすと、水は体にスムーズに流れず、
乾燥したり、逆に水分が多すぎるとむくんだりします。
肌のたるみや髪のツヤ不足、口内の乾燥、アレルギー、ぜんそくなどを招きやすくなります
水滞:体内に余分な水分が溜まっている状態、津液の流れが停滞している状態です。
(水湿、水毒ともいわれます)
水滞はなぜおこる
体質的に水分代謝がよくなく、冷え、先天的な胃腸虚弱、湿気の強い職場や住宅といった生活環境、水分の摂りすぎなどが原因です
水滞による症状は、
むくみ、冷え、重だるさ、頭痛や頭重感、下痢や軟便、尿が出にくい、吐気や嘔吐、食欲不振、めまい、動悸、水っぽい鼻水、咳や痰、湿疹、関節の鈍痛や動かしにくさなどがあります
*水滞がある人は、湿度が高くなると症状が悪化し、湿度が低く乾燥してくると症状が軽くなります。
津液は気、血と共に体を構成し、生命活動に欠かせないものです。
津液は気の力によって巡っているので、その機能がうまくいあかないと気滞や気虚から水滞に至ってしまいます。
津液の流れが停滞している状態から津液を循環せることを利水といいます。
水滞を改善する漢方薬を利水剤といいます。駆水剤ともいわれます。
利水剤は体の中の水分を平衡に保つという作用があります。
利水剤には白朮、蒼朮、茯苓、猪苓、沢瀉の生薬があります
水分の代謝異常を治す漢方薬は、
五苓散、胃苓湯、苓桂朮甘湯、防已黄耆湯などがあります。
当帰芍薬散、真武湯、小青竜湯、苓甘姜味辛夏仁湯、桂枝加苓朮附湯などは利水剤には分類されませんが利水作用を持つ漢方薬です。
★二日酔いになったときは、胃腸の中が水滞になっています。
喉が渇くので水を飲んだり、吐いてしまうこともあります
こういう時には、五苓散を服用すると症状が軽くなります
五苓散は腸管の水分を血中にとりこんでおしっことして出す作用があります。
★低気圧が近づいたときに起こる気象病は気圧の変化の浮腫です
台風が近づいてくると頭痛が起きたり、雨の前の日に起きる頭痛などにも五苓散が効果があります