漢方薬は自然のお薬だから副作用がないと思われがちですが、
漢方もお薬なので、副作用がないというわけではありません。
漢方薬の副作用は西洋のお薬に比べると1/10ほどですが、
実は気を付けなければならない副作用がいくつかあります。
気を付けたい漢方薬
麻黄(まおう)を含む漢方薬:
葛根湯、小青竜湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、麻黄附子細辛湯 など
麻黄・・・心臓を刺激するので、高血圧、狭心症、不整脈の持病がある人は注意です。前立腺肥大の人は尿が出にくくなる。
エフェドリンによる成分でスポーツ選手がドーピング反応で陽性になる
甘草(かんぞう)を大量に(3g/日以上)含む漢方薬:
芍薬甘草湯、小青竜湯、人参湯、甘麦大棗湯 など
甘草・・・血圧が上がる、むくみ、筋肉痛などの症状がまれにある。
甘草を多く含む生薬や、甘草を多く含む漢方薬を併用する場合は注意が必要です
桂枝(けいし)を含む漢方薬:
葛根湯、柴胡桂枝湯、五苓散、小青竜湯、桂枝茯苓丸、麻黄湯、桂枝加芍薬湯、小建中湯 など
桂枝・・・胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気、発疹がでる場合がある
- 人参(にんじん)を含む漢方薬:
- 小柴胡湯、半夏瀉心湯、人参湯、補中益気湯、六君子湯十全大補湯、大建中湯 など
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人参・・・エストロゲンに似た作用があるため、妊婦や授乳中の女性はもちろん、小児も服用してはいけない。
たまに、喘息の発作、血圧の上昇、動悸、閉経後女性の子宮出血
黄芩(おうごん)を含む漢方薬:
黄連解毒湯、柴朴湯、柴苓湯、小柴胡湯など
黄芩・・・肝機能障害、間質性肺炎、膀胱炎を起こすときがある
- 柴胡(さいこ)を含む漢方薬:
- 小柴胡湯、大柴胡湯、柴胡桂枝湯、など
柴胡と黄金を含む方剤で間質性肺炎・薬剤性肝障害や膀胱炎をおこす例があります。
附子 (ぶし)を含む漢方薬:
牛車腎気丸、大防風湯、八味地黄丸、麻黄附子細辛湯など
附子・・・猛毒で知られるトリカブトの根を弱毒化したもの。体を強力に温める(体が冷えている人が飲むと具合が悪くなる)
- 山梔子(さんしし)を含む漢方薬:
- 黄連解毒湯、加味逍遥散 、辛夷清肺湯、茵蔯蒿湯など
山梔子・・・5年以上の服用により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症が現れることがある
大黄(だいおう)を含む漢方薬:
大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯、大柴胡湯など
大腸を刺激して便を出しやすくします。これを長く飲み続けると、腸運動機能を弱めてしまうだけでなく、依存性もうまれ、大腸の粘膜に色素が沈着して黒ずんでしまうことがあります。
遠志(おんじ)を含む漢方薬:
人参養栄湯、加味帰脾湯、加味温胆湯、帰脾湯(きひとう)
2015年に、物忘れを改善する生薬として遠志(おんじ)が認められました。
これは市販でも買える漢方薬ですが、血液検査に影響を与えることがあるようです。
漢方薬もお薬なので、副作用には気をつけないとダメですね