第1章 ミュージック・アズ・ア・ブリッジ ー音楽は「架け橋」
その人は美しの宮に仕えていた音楽家であり、
体内の原子一つひとつを、霊的力と共鳴する状態に高めるリズムに、
人体を向ける仕事に関係していたのである。
音楽とそこから起こってくるものが、自分を内部から一新させるという体験が、
その人の人生に起こっているのはそのためである。
…それは直感的自己、音符や曲を記録する人の心を刺激する、
その精神を通してなされる。…
そのようにすれば、あなたは、自我のそれでなく、天使の聖歌隊、真理の御霊さえ動かす
ものが、自分の中に起きてくることがわかるようになろう。
平和の君イエスでさえ、自らハープを弾かれたことをよく知りなさい。
そのように、瞑想においては、キリストから導きを受けられるよう、
自分を整えなさい。(275-35)
美しの宮とは、Tenple Beautiful のことで、ケイシーのリーディングによると、
古代エジプト時代にあったとされるヒーリングセンターのようなものだったそうです。
「体内の原子一つひとつを、霊的力と共鳴する状態に高めるリズムに、人体を向ける。」
ということをしていたんですね。どんな楽器や音を使っていたんでしょうね?
著者の説明によると、
瞑想に使われる聖音(マントラ)を使うことによって、
現実世界から無限世界へ、
外側の結果世界から、真の原因世界である内側へ、
心を切り替える助けとなったということ。
聖音がこちらとあちらの世界の間の「かけ橋」だということですね。
ちなみにマントラは母音ということが重要だと言っています。
そういえば、日本語って一音一音に母音が入っていますから、一音を伸ばして発音するとマントラになりますね。
言霊という所以はここにあるんですね。
カタカムナなどの超古代日本の文字の発音を古神道の宮司さんに学ばれたミッチートーラスさんの講座に出させていただいたことがありますが、
朝陽が昇る耳には聞こえない音を聴いた昔の人が、それを音として表したのが「ひ」だったというお話しにいたく感動しました。
これが言葉や文字の始まりだったのではないかと確信しました。
古代ギリシアのピタゴラスも天体の音楽を聴くことができたのだそうで、その音を鍛冶屋に再現してもらって作ったという話もあります。
騒音であふれている今の時代、昔だったら聴こえた当たり前の音が聴こえなくなっていているのかもしれない。
自分が話すことに一生懸命になるよりも、まわりの音を「聴く」ことができたら、自らの内側の静寂さが聴こえて、
自分や他人や自然ともしっかりと繋がれるようになるんじゃないだろうか。。。
と思ったりもする。
このような文章もあります。
その人は、音楽の中に多くの慰めを見つけることで、
心の力であれ霊的力であれ、そこにつくりだされた距離を埋める“かけ橋”を
たくさん見つけることができる。
音楽に自分を同調させることによって、生まれつき自分に備わっている最も近いものを、
引き出すことができるのであり、その人にとって音楽の旋律が、それが低いビブラートのものであれ、
高く上がってゆくもの、引き締まるような高い和音のものであれ、
自分の求める経験の世界に素早く同調させてくれるものになっている。
あなたがこうした才能を今生においてさらに鋭いものに高めてゆければよいと思う。
この人は、天の聖歌隊に魂が同調している完璧な実例となる方法の中で、その鋭敏な感覚をいっそう高めることができるからである。
(115-1)
「音楽に自分を同調させることによって、生まれつき自分に備わっている最も近いものを引き出すことができる。」
私自身が今まで何度も音楽や音を聴いたり演奏したりすることによって、もとの自分らしさを取り戻して助けられた経験があって、
なぜ音楽は人間の精神(心魂身体)にとって重要なのか?、10代の頃からずっと私の中で重要なテーマとして心の中に大切にしまってありました。
ですから、音楽が私たちの肉体と心と魂にバランスや調和をもたらし、本来のその人らしさや輝きや創造性を取り戻させてくれるという言葉は
本当にそのとおりだと思いますし、言葉で表されると霧が晴れるような思いになります。
次回は、「第2章 ヒーリング・サウンド 音楽の治療効果」に入ります。
音楽の治療効果についてどのように言ってるのかな?