前回『眠りの部屋』について

書きました。

 

重沼愛美という女性が登場します。

幼い頃から器量が悪く

同じように器量の悪い、お金持ちの三男の夫と

お見合い結婚。

生まれた一人息子が、どちらにも似ていない

イケメン(しかし、よく見ると顔は整っていないが)

だったために

自分の人生のすべてを息子に捧げるかのように

大事に育てます。

家庭教師も自ら選び、

息子は慶応へ進学。

性格もとても優しい子に育ちます。

彼が婚約者を紹介すると言ったときには

ついにこの日が来たとばかり

相手の女性の素性を探偵を使って調べ、

自ら彼女の実家まで出向いて母親を見、

こんな家の子供と大事な息子を

結婚させるわけにはいかないと

また大金を払って画策し、

別れるように仕向けます。

結果的に、二人は深く傷ついた挙げ句に

別れることになったのですが

息子は、愛美からも離れていきました。

 

 

*

私はよく

「優しい虐待」

というフレーズが頭に浮かびます。

 

何もかも、手取り足取り

子供が何をしても叱ることもなく

 

ぜーんぶ、私がやってあげるからね。

私がやるから、

あなたはなーんにも、心配しなくていいのよ。

あなたは、ただかわいいままの子供でいてね。

はい、お口を開けて

アーン

あら、食べられないの

じゃあいいわ

ほしくないなら無理しなくていいの

アイス食べる?食べるわよね

あなたの好きなアイス買っておいたのよ(ニコッ)。

 

みたいな人、いらっしゃいますが

私には虐待にすら見えてしまいます。

 

自分をずっと好きでいてほしい、

私だけがあなたを愛しているとわかってほしい、

自分のことをずっと頼ってほしい、

 

だからあなたが自立すると困る。

 

 

子供が社会人になった後も

ずっとサポートできるわけではないのに。

 

それを受け入れるしかない子供に対し、

自分のエゴを、さも愛情であるかのように

時には他のお母さんにマウントしている人を

見ると

嫌な気持ちになり

愛情って難しいなと

思うのでした。

 

 

 

*

お問い合わせは

下記のメールアドレスか

DMからお願いします。

 

lara.esalen@gmail.com

(@を半角に)