妻子ある男と不倫し、

その男の子供を妊娠。

女は産みたいと言うが、男に

「今は無理だよ…

そのうち妻のことはちゃんとするから。

今産んだらそれも全部だめになるじゃないか」

と言われ、中絶する。

それが原因で子供を産めない体に

なってしまった希和子。

 

その男の、妻との間にできた子を

ひとめ見ようと行った病院で

その子を思わず連れ去ってしまい、

逃げながら、

自分の子として育てた数年間。

 

ついに捕まり、女児は実の親のもとに

返されるが、

誘拐犯をお母さんと信じて育ってしまった

我が子との関係に

心が壊れそうになる実母。

実の親子でありながら、

関係の構築は難しく

バラバラになる家族。

 

娘は大人になり、自身も

妻子ある男の子供を身ごもり

その子を産むことにするー

 

というお話。

 

希和子も、実母の恵津子も

お気の毒…

という気持ち。

 

希和子も恋人との子供を産みたかったし、

恵津子は、自分の子供を奪われて

大切な3年間を他人に育てられて

他人のようになってしまった娘に

愛されたくて、愛したくてたまらないのに

かなわなくて…

娘との3年間の日々を永遠に奪われた

悲しみは一生消えないでしょう。

 

娘の恵里菜が、子供を産み、育てる過程で

親子の関係が再構築されると良いなぁと

思います。

 

 

それにしても、どうして希和子は

恵里菜(=薫)を連れ去ったんだろう。

そして

「私にはこの子しかいない」

と必死で、2人で生活したんだろう。

自分に子供が産めないから、

子供を欲しかったんでしょうか?

それとも、不倫相手の子供を

こわいもの見たさで見に行ったら

奥さんを苦しめたくなり

突発的に連れ去ってしまったのか。

 

とにかく、現実を壊したかったのかな。

 

破壊的な衝動で

新生児を奪ってしまい、

そして、そんな自分の生きがいは

その子を育てることだけに

なったのかな。

だけど、子供の戸籍もなく、自分も偽名で、

いつか破綻することが

わかっていて

なんの時間だったんだろうな…

母親としての幸せな時間を

少しでも長く、持っていたかったのかな。

 

 

希和子は、母としての愛情をもって

薫を育てていたけれど

希和子にふりまわされて

居場所を転々とする子供が不憫でした。

 

本来なら、

こわい思いもせず、不安もない

毎日を送っていたはずなのに。

 

そして、実親のもとに戻されたものの

家族はバラバラになり

家を出てアルバイトをする毎日の恵里菜。

どんな思いで、18歳まで

暮らしていたんでしょうね。

 

 

 

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