今回は記念すべき民法の最終講、「遺言の撤回」を見ておきましょう。

“大丈夫、もう朝日が出てきたわよ。ほら、見て、あなたの後ろ!”(源有紀ちゃんほか、スタッフ全員で読者の皆様を応援しています)
「遺言者個人の最終的な意思の尊重」が出発点、民法のポリシーです(「最終的な」を加えました)。
一方で、相続関係の早期確定(社会の法的な安定性の確保)も民法の重要ポリシーです。だから両方のバランスが必要になります。
遺言は、遺言の方式に従っていれば、いつでも撤回できます。また、撤回の方式の種類は、前と同じでなくても構いません(例えば、公正証書が自筆証書に代わるとか)。
ところで、遺言者が、ある行為を行うと、遺言の撤回とみなされる場合があります。下表にまとめておきましょうね(「推定」でなく「みなされる」ので反証を挙げて覆せません)。
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撤回とみなされる ケース |
意 味 |
備 考 |
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新旧の遺言が食い違う |
バッティングすれば、その部分は新しい遺言により古い遺言が撤回されたとみなす。 |
民§1023① |
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遺言をした後に、遺言と矛盾する行為をした |
バッティングすれば、その部分は遺言後の行為で一度した遺言を撤回したとみなす。 |
民§1023② |
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故意に遺言書を破棄 |
破棄した部分は遺言の撤回とみなす。 |
民§1024前段 |
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故意に遺贈の目的物を破棄 |
同上 |
民§1024後段 |
一度撤回されれば、撤回行為自体が取り消されたり、無効になっても、もはやかつてのパワーを回復しません。(民§1025)
「あの家、私が死んだらあなたにやるわ」を撤回し「やっぱ、やーめた」となった場合、その後さらに、「この間『やっぱ、やーめた』って言ったけど、あれ取り消すわね」と言ったところで、もはや家を与える遺言のオリジナル・パワーはリカバリーできません。
ただし、撤回行為が錯誤や詐欺や強迫による場合、遺言はもともとのパワーを回復可能です。(民§1025ただし書き)
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事例:撤回された遺言をさらに撤回するとどうなるの?
遺言者個人の最終的な意思が重要ですね。したがって、撤回を撤回することで最初の意思を復活させたいと言うのが遺言者の最終意思だと明らかならば、それを尊重、本講で説明した民§1025ただし書きと同じ考えに基づいて、オリジナル遺言のパワー復活です。(判例)
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●これで相続の最後の論点、遺言は終わりました。そして親族・相続編も終わり、民法のすべてを終わりました。長いこと本当にお疲れ様でした。
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