前回第349回配信では応用事例8まで終わりました。そこで今回は応用事例9から始めて演習は終わりましょう。

 

おなじみの基本形の表を再掲しておきます。適宜、人間関係図も書いてみてくださいね。

相続順位

相続人(配偶者以外)

 

相続が発生する条件

配偶者がいる時の相続分

配偶者の相続分

子供(代襲相続人、生まれることを条件として胎児も含む)

子供あり

1/2

1/2

直系尊属(父母、祖父さん、祖母さんなど)

子供なし

1/3

2/3

兄弟姉妹(代襲相続は甥・姪まで)

子供も直系尊属もなし

1/4

3/4

上記の人がいない

 

 

全て

 

 

ということで、まずはジャブ出し的な事例からかたずけましょう。

事例9:養子に出ているが、実親が他界

 

SとTの子であるXさんはYの養子となった。このほど、実親のSが亡くなったが、Xさんは相続人となるか。

 

☞養子は養親と実親双方の相続人となります。

 

事例10:腹違い、父親違いの子の相続分(子として相続の例

 

Xさんには前妻との間に息子Sがいる。そして現在の妻Yとの間にも息子Tがいる。

 

このほどXさんが他界したが、Xさんの残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

父や母がなくなったら異母の兄弟姉妹や異父の兄弟姉妹の相続分は平等です。

事例では父(X)が亡くなったら異母兄弟(前妻の子Sと現在の妻の子T)の間の相続分は平等です。

妻(B):1,200万円×1/2=600万円
異母兄弟(SとTの2人):1,200万円×
1/2=600万円
*異母兄弟2人のそれぞれの相続分:600万円×1/2=300万円

結論:妻Bが全財産の1/2、子供SとTはそれぞれ1/4ずつです。

 

事例11:腹違い、父親違いの子の相続分(兄弟姉妹として相続の例

 

Xには前妻との間に子供松子がいる。そして再婚した妻との間にも子供竹子と梅子の2人がいる。Xも前妻も再婚相手の妻も既に他界している。

 

このほど竹子さんが亡くなったが、竹子さんの残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

 

これは、第347回配信で学びましたね。図を再掲しておきます。

☞異母の兄弟姉妹、異父の兄弟姉妹は、両親を同じくする兄弟姉妹の半分です。上の事例10との違いに注意してくださいね。

竹子と両親を同じくする姉妹(梅子):1,200万円×2/3=800万円
竹子と片親のみ同じな姉妹(松子):1,200万円×
1/3=400万円

 

事例12:認知されていない子の相続の可否

 

Xさんには浮気(不倫)相手の女性Yとの間に子供Sがいるが、認知はしていない。

このほどXさんが他界したが、SはXさんを相続できるか。

 

認知されていないと、法的には親子関係を認められないので、相続できません。

 

事例13:被嫡出子(婚外子)の相続分

 

Xさんには亡き妻との間に娘Uがいるが、内縁の妻Yとの間にも認知された息子Sがいる。

このほどXさんが他界したが、Xさんの残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

☞かつては被嫡出子(婚外子)の相続分は嫡出子の半分でしたが、現在では同じです。

嫡出子(U):1,200万円×1/2=600万円
非嫡出子(S):1,200万円×1/2=600万円

 

事例14:内縁の妻の相続分

 

Xには亡き妻との間に娘Uがいる。妻の死後Y子さんと懇意(内縁関係)になったが、年頃のUちゃんに配慮して入籍していない。このほどXが、Y子さんの長く、そして、献身的な看護もむなしく他界した。

Xさんの妻の死という絶望的な状況に支えとなって寄り添い、そしてXさんが病に倒れて後は、一心不乱に看病を続けたY子さんであるが、Xさんを相続できるか。

 

☞相続は血族か配偶者なので内縁では相続できません。よって、一人娘のUさんが全額を相続します。

 

(※)H&T係長、個人的にはこのY子さん、気の毒過ぎます。Y子さん救済の方法は、次回以降随時説明したいと思います。

 

●次回は、どうしても基本形では対応できないケース、特別受益者(とくべつじゅえきしゃ)や寄与分(きよぶん)など、相続分の実際の計算上、重要な考え方を見てしまいましょう。

 

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