パラ競泳100メートル鈴木孝幸選手、金メダル、凄いです。Head& Tail係長も、鈴木選手にあやかってなんだかやる気が出ております。

 

前回は、相続分の相場観を基本形中心にある程度つかんで頂けたかと思います。

 

そこで今回は応用事例をみましょう。重要な知識も出てきますのでどうか辛抱してお付き合いください。人間関係図も書いてみてくださいね。

 

夏期休暇で海へ来ている倶楽部H&T所属の女の子たちに登場してもらいます(もちろん近隣にご迷惑をおかけせぬよう感染症対策は万全です)彼女たちもホテルでは皆様のお勉強にお付き合いです。

 

念のため、おなじみの基本形の表を再掲しておきますね。

相続順位

相続人(配偶者以外)

 

相続が発生する条件

配偶者がいる時の相続分

配偶者の相続分

子供(代襲相続人、生まれることを条件として胎児も含む)

子供あり

1/2

1/2

直系尊属(父母、祖父さん、祖母さんなど)

子供なし

1/3

2/3

兄弟姉妹(代襲相続は甥・姪まで)

子供も直系尊属もなし

1/4

3/4

上記の人がいない

 

 

全て

 

“ちょっと、H&Tさんたら、何で海来てまでこんなことやらせるの?目が悪くなるじゃない”(By眼鏡のEyeEyeことアイアイ/栃木県)

 

事例1:相続欠格者の子の代襲相続の可否

 

Xさんの息子Yは、Xさんを強迫し、財産の大半を自分に相続させるという遺言を書かせた。Yは相続できるか。また、Yには子供ZがいるがZは相続できるか。

 

☞詐欺や強迫により遺言を書かせたYは相続欠格に該当し、相続人となれません(民§891)。しかし、その場合でもYの子Zは代襲相続することができます。悪人のYとその子供Zとは別人格と考えます(個人としての尊重)。

 

事例2:相続を廃除された者の子の代襲相続の可否

 

Xさんの息子YはXさんの生前、Xさんに激しい家庭内暴力を繰り返していた。Yは相続できるか。また、Yには子供ZがいるがZは相続できるか。

 

☞ Xさん自身がYの相続廃除を望んでおり、家裁が廃除を認めれば、Yは相続人となれません(民§892)。しかし、この場合でもYの子Zは代襲相続することができます。悪人のYとその子供Zとは別人格と考えます(個人としての尊重)。

 

事例3:兄弟姉妹の孫の代襲相続の可否

 

Aさんには妻B、それに兄Cと妹Dがいる。なお、兄CはAさんより前に他界しているが、息子Fがおり、Fにも娘Gがいる。しかし、FもまたAさんより前に他界している。

Aさんが残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

☞配偶者、子供、親や祖父母などがいない場合、相続順位は兄弟姉妹です。そして、兄弟姉妹も被相続人の死亡以前に亡くなっている場合には、その子供(被相続人から見て甥や姪)が代襲相続します。事例ではCの息子Fが代襲相続できそうです。しかし、Fもまた亡くなっている場合、その子Gは(再)代襲相続することはできません。兄弟姉妹の代襲相続は、甥や姪の代までです。(通常みられる)子の代襲相続の場合とは扱いが異なるので注意ください。

妹(D):1,200万円×1/4=300万円
妻(B):1,200万円×
3/4=900万円

 

事例4:代襲相続人が複数いる場合のそれぞれの相続分

 

Aさんには妻Bと兄Cがいる。しかし兄Cは二人の息子DとFを残し、Aさんより前に他界している。

Aさんが残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

☞代襲相続人(事例ではDとF)は代襲相続をされる人(C)が本来得られる相続分を法定相続分で分けます。

代襲相続する甥DとF(二人):1,200万円×1/4=300万円
*甥二人のそれぞれの相続分:300万円×1/2=150万円
妻(B):1,200万円×
3/4=900万円

結論:妻Bが全財産の3/4、甥のDとFはそれぞれ1/8ずつです。

 

“海にはお付き合いで行くけど、やっぱりあの人が居ないと寂しいな”(By 上京した彼を忘れられない麻美ちゃん/岩手県)

 

事例5:胎児も代襲相続するか

 

Aさんには妻Bがいて、現在妊娠中である。ところが、Aさんはあっけなく他界した。

Aさんが残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

☞胎児にも相続する権利があります。ただし、出生することが条件となります。「現状では」次のようになります。

子(胎児):1,200万円×1/2=600万円

妻:1,200万円×1/2=600万円

 

事例6:相続放棄者の子の代襲相続の可否

 

Xさんには二人の息子YとZがいる。しかし、YはXさんの生前、Xさんととても仲が悪く、その死後、「親父の相続など一切しない」と相続を放棄した。なお、Yには息子SとTの二人がいる。

Aさんが残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

相続を放棄した場合、代襲相続はありません。相続欠格や相続の排除の場合と違うので注意してください。

息子の1人(Z):1,200万円×1/1=1,200万円
 

事例7:親と孫のみ(子が他界、孫あり)

 

Xさんには一人娘Yと、母親Zがいる。しかし、Yは息子Wを残して、Xさんより先に亡くなってしまった。

Xさんの死後、Xさんが残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

Xさんが亡くなった時、相続権を持つ妻も、子供Yも亡くなっており、母親Zのみが残ります。しかし、子供Yにはさらに子供(被相続人の孫)Wがいます。そこで、母親(優先順位2位)ではなく、孫が子供(優先順位1)を代襲相続します。

子供(娘Y)を代襲相続する孫W:1,200万円×1/1=1,200万円

 

※母親Z(孫から見た祖母)が相続しませんが、ちょっと酷な気もします。しかし、孫には祖父母の扶養義務があり、祖母が生活に困ったら支援する義務はあります。(但しこれは相続とは別の次元の話ですね)

 

事例8:祖父母と兄弟のみ(親が他界、祖父母ご存命)

 

Xさんは独身だが、妹Yと、祖母Zがいる。Xさんの死後、Xさんが残した1,200万円は誰がどれだけ相続することになるか。

 

☞Xさんには配偶者も、両親もおりませんが、妹がいます。兄弟姉妹は3順位の相続人。そこで妹さんが相続と思いきや、どっこい、お祖母さんがいました。直系尊属であるお祖母さんは第2順位の相続人です。両親が既に他界しているときには祖父母など直系尊属が相続します(※この場合代襲相続とは呼びません)。

直系尊属(祖母Z):1,200万円×1/1=1,200万円

 

※妹が相続せず、ちょっと酷な気もします。しかし、祖母には孫の扶養義務があります。孫が生活に困ったら支援する義務はあります。(但しこれもまた相続とは別の次元の話です)

 

●パラリンピックの選手たちの活躍にH&T係長の筆が進み過ぎました。次回、事例(ポイント復習も含む)あと5つ程度お付き合いください。

 

“ごめんなさい、ノックしないで入ってきて。ハイッ、お疲れ様です。差し入れ”(By バックオフィスの沙姫ちゃん/仙台市出身)

 

 

姉妹サイトもよろしくね!!!

●ヘッドライトとテールライトHead & Tail

https://ameblo.jp/headtail/

こちらもどうかよろしくお願い致しますね!!!

●日本政府を通じた東日本大震災義援金受付