気が付けばこのブログも第333回を迎えておりました おめでたい反面、コロナ禍が始まってほどなく始めたので、厳しい状況が長びいていることをつくずく実感します。
しかしながら、何かを学ぶにはむしろチャンスかとも思います。是非逆境をチャンスに変える気持ちで参りましょうね。
ということで、今回は「あら不思議、非嫡出子が嫡出子に!」を見てみておきます。
父母が入籍、婚姻関係に入ることで、非嫡出子(婚外子、私生児とも呼んだ)を嫡出子にする制度を準正といいます。(準正は認知されることが前提になります)
●準正の持つ意義:
準正は、非嫡出子のままだと子供が大きな不利益を被っていた時代にはとても重要でした。
例えば、割と最近、2013年の相続分に関する民法改正前までは、「お前なんか妾の子、だから相続だって俺たちの半分で良いんだよ!」あるいは、「あなたの取り分はうちの僕ちゃん達の半分よ、だってあなたは私生児なんだから」こんな主張がまかり通っていました。すなわち、父親が亡くなった時の非嫡出子の相続分は嫡出子の半分だったのです。
人間生活は恩愛憎悪の中で展開するので、異母兄弟や本妻さんの気持ちも分からないことはありません。
しかしです。子供には何の罪もありません。また、亡父が血の繋がったりっぱな父親であることにも変わり有りません。子供には残酷過ぎる現実がありました。
しかし、2013年、ようやく最高裁はこの状況に終止符を打ち、昔の民法の条文は違憲(憲法第14条/法の下の平等違反)という判決をくだしました。結果、民法の相続分に関する規定が撤廃、改正され相続分は平等となったのです。
非嫡出子を嫡出子に変える「準正」制度の趣旨は、悲しい想いを罪なき子供に背負わせてはならない、そのためにも、ちゃんと入籍しましょうねというものですが、相続分の不平等という非嫡出子の抱えていた大きな不利益が撤廃された今、昔ほどは大きな意味を持たなくなっています。
“ムズッ!だったら非嫡出子のままでいいじゃん!?”
サンライズが似合うイブちゃん(山形/福島・茨城)
●一番大切なのは「認知」:
ここまで読むと「何だ、そんなら非嫡出子のままでいいじゃん」となりそうです。そういう選択もあるかも知れん。
しかしながら、一つ言えるのは、「それでも認知だけはしてもらう(またはさせる)こと」です。
※そもそも今日のテーマである準正も「認知」を前提にしてます。
認知がない、すなわち、父親から「認知」(実子であることの確認)がされていない非嫡出子は、色々な面で不利益を被ります。
当たり前と言えば当たり前ですが、相方が父親だと認めない以上、以下の不利益が出てきます。
1)父親の姓も名乗れず(父親の戸籍に入れない)
2)父親から扶養も受けられず(養育費を請求できない)
3)父親からの相続もできない。
これじゃあ厳しいですよね。
●準正の仕組み:
準正の今日的意義はとにかくとし、準正は親族法の論点としては出てくるテーマです。その仕組みは百聞は一見にしかず、下の図で確認しておきましょうね。
準正には次の2種類があります。(民§789)
1)婚姻準正:婚姻前にもう認知はしている場合に、婚姻によって非嫡出子から嫡出子へ転換するもの。
婚姻準正のイメージ
誕生 |
認知 |
→婚姻時から嫡出子となる
婚姻 |
2)認知準正:婚姻関係に入ってから認知をした場合に、認知によって非嫡出子から嫡出子への転換するもの。(ただし、先例上、認知時でなく婚姻時から嫡出子としてもらえる)
認知準正のイメージ
誕生 |
→先例上婚姻時から嫡出子となる 婚姻 |
→認知により嫡出子となる 認知 |
●前回のNHK大河ドラマでは渋沢平九郎が栄一の見立て養子になりました。次回は、「実子」ではなく「養子」について見てみます。
“潔く認知するのが男だっぺ!”(サンセットも似合うイブ/好きなタイプは“潔い男性”だそうです)
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