今回は抵当権の次なるポイントを二つ、対抗要件と被担保債権(担保でカバーされる債権)を見てしまいましょう。
●抵当権の対抗要件:
抵当権の対抗要件はズバリ「登記」です。
登記に関しては、被担保債権が消滅(付従性ゆえに抵当権も消滅)した後に、その抵当権の登記を他の債権の抵当権用に「流用」できるかという問題があります。例えば、1番抵当が消滅した時に、まだ他の債権が残っている場合、この抵当権登記を流用したいと思うのは人情です。(話が逸れますが、H&T係長、子供の頃、出て行ったヤドカリの綺麗な貝殻に別のヤドカリを住ませたいと思ったことがあります)
しかし、後の順番の抵当権(例えば2番抵当)がいる場合、そんな事されたらどうでしょうか。大迷惑ですよね。結果、「流用はできるけど順番は後順位の抵当権者の後」になります。
ヤドカリは海老や蟹と同じ十脚目に属します。食用もあるそうですが一体どのような味がするのでしょうね。Head&Tail係長、酒の肴になるか興味深々です。
●被担保債権となる債権:
抵当権でカバーされる債権(被担保債権)となるのは、お金がメインです。また元本と弁済の期日までの利息もOKです。しかし、「物の引渡し」債権でも構いません。
ところで、どんな債権が担保されるかに関しては、当事者が多い場合に迷います。以下、参考例を簡単に見ておきましょうね。(さらっと流しても結構です)
パターン |
債権者 |
債務者 |
債権 |
一つの抵当権の成否 |
一人の債権者Aが一人の債務者Xに一つの債権xを有する。 |
A |
X |
x |
一つの抵当権設定OK |
一人の債権者Aが一人の債務者Xに複数の債権x1,y2,z3を有する。 |
A |
X |
x1 x2 x3 |
まとめて一つの抵当権設定OK |
一人の債権者Aが複数債務者X,Y,Zに複数の債権x,y,zを有する。 |
A |
X Y Z |
x y z |
まとめて一つの抵当権設定OK |
複数債権者A,B,Cが一つの債権wを準共有する。 |
A B C |
W |
w |
一つの抵当権設定OK |
複数債権者A,B,Cが複数債務者P,Q,Rに複数の債権p,q,r,を別々に有する。 |
A B C |
P Q R |
p q r |
×不可 |
●次回は、被担保債権の範囲、重要テーマです。
“登記の流用?あっ、ヤドカリのイメージよね!”(麗奈ママのマンションにヤドカリ中のジェニー。それでも一日2時間筋トレは欠かしません)
●ヘッドライトとテールライトHead & Tail
https://ameblo.jp/headtail/
こちらもどうかよろしくお願い致しますね!!!
●日本赤十字社のウェブサイト
東日本大震災義援金