今回は早くも246回目の配信です。特別な数字ではありませんが私ことHead&Tail係長にとってこの数字には忘れられない記憶があります。

 

今から10年前の東日本大震災の時、私は都内で働いていました。夜、職場に泊まってもよかったのですが、持久力に相当自信のあった私は歩いて神奈川の自宅まで帰ることに決めたのです(無謀だったと思います)。

 

それで国道246号線を大勢の人の流れに乗ってひたすら西(厚木方向)へ向かいました。途中、かなり高齢のお婆さんや、赤ちゃんを抱いて、お兄ちゃんやお姉ちゃんの手をしっかり握って歩くお母さんを何人も見かけました。気の毒でしたが私にできることもなく、とにかく誰もが、黙々と西へ向かって歩いて行きました。

 

ただ、繁華街の近くでは居酒屋で飲んで騒いでる人達を何人も見かけました。「あなたたち、何考えてるの?」と思いましたし、複雑な気持ちでした。ただ、今にして思うと、首都圏の人たちは、私を含めて、まだ誰も震災の深刻さに気づいていなかったのだと思います。

 

二子玉川の高島屋を過ぎた辺りで、途端に人の数が減ってしまい、多摩川を超えた頃には、あたりには誰もいなくなり、物凄く心細くなりました。しかし、あんな状況の中でも電車(東横線)が復旧したのです。一生懸命復旧作業に努めてくれた鉄道会社の方々のことを心の底から有難いと思いました(今でも感謝しております)。

 

災害の時は、多少体力に自信があっても、決して楽観視せず、見込みで行動せず、落ち着いた判断を心掛けたいものですね。

 

 

さて、地上権の成立(取得)を見ておきましょう。取得原因には契約(設定契約)や時効があり得ます。その他、ちょっと特殊な取得原因として法定地上権(ほうていちじょうけん)の成立というのがあります。

 

今仮に、土地と建物を同じ人が所有しており、一方、または、両方に抵当権(ていとうけん)(※)が設定されているとしましょう。借金の担保だから、競売(けいばい)されることがあります。

抵当権(ていとうけん)は担保物権のところで詳しく学びます。

 

競売の結果、土地と建物が別々の人に所有されるとどうなるでしょうか。ちょっと、以下の事例で考えてみてくださいね。ここでは土地と建物はいずれもXさんが所有している前提です。

 

事例1: Xさんの建物に設定されていた抵当権が実行され(競売され)土地はXさんのまま、建物だけYさんが競売で落札した。

新たに建物所有者となったYさんは、他人(Xさん)の土地の上にこの建物を所有し続けられるだろうか。

 

事例2:Xさんの土地に設定されていた抵当権が実行され(競売され)土地はYさんが競売で落札、建物はXさんがそのまま所有している。Xさんは新たに土地所有者となったYさんの土地の上に引き続きこの建物を所有し続けられるだろうか。

 

どうです、考えて頂けましたか?もしこの事例で、Yさん(事例1)やXさん(事例2)が、建物所有のために土地を使用する権利(=地上権)を持たないとすると、どうなるでしょうか?

 

そうですね、建物を取り壊して出て行かざるを得なくなりますよね。

でもそれは、社会全体としてみてとても不経済です。壊すこと自体もったいないし、壊さなければ建物所有者は賃貸に出したりもでき、世間のためにもなるはずです。

 

そこで、民法さんは、このような場合には当然に地上権が成立することにしたのです。この場合の地上権が法定地上権(ほうていちじょうけん)です。(民§388

民法さんの思考はいつでも合理的ですよね。

 

以下、図で事例を可視化しておきます。参考にしてくださいね。

●次回、法定地上権のポイント、もうちょっとだけ見ておきましょう。

 

(本気でメイクすると相当の美人、Qちゃんこと九龍亜美(くりゅうあみ)/得意:英語、広東語)

 

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