もう、資格取得に役立つ民法わかりやすく教えちゃうよ！（79）履行引受

債務引受と似て非なるものに履行引受があります。今回これを見てから債権総論の小宇宙を脱出です。

小惑星リュウグウとはやぶさ２号（JAXA）

Head&Tailは、はやぶさ２を応援してます。

【履行引受と債務引受】

●債権者とは無関係な履行引き受け

問：ＳさんはＴさんに代金１００万円を支払わねばならないが、友人のＵさんがＳさんとの間でＳさんに代わって１００万円を支払う約束を交わした。これを聞きつけたＴさんはＵさんに対して代金支払いを求めることができるか。

答：この設例が履行(りこう)引受(ひきうけ)で債務者Ｓと引受人Ｕとの間の契約で成立します。債権者Ｔの承諾は要りません。履行引受では債務者Ｓと引受人Ｕとの間に権利義務が発生しますが、債権者Ｔと債務者Ｓの間には何の変化も生じません。

　また、特別に約束（＝特約）しない限り、債権者であるＴは履行引受したＵに直接支払いを請求することもできません。履行引受はあくまでも債務者と引受人の間に生じる関係でしかないので、この点債務引受と区別してくださいね。

履行引受は、債権者と無関係に成立する関係なので債権者の承諾も要らない。だけど、その代わり、原則、債権者から引受人に請求することもできない。表裏一体ですよね。

●いよいよ次回から債権各論の小宇宙へ突入しましょうね。

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