前回までしばらくの間、債権総論の、混同、相殺、代物弁済、弁済などを見てきましたね。これらに共通することって何でしょうね。そう、皆、「債権が消滅する場合」です。
今回もその「債権の消滅する場合」の一つ、更改を見てみましょう。“更改の話、公開しないと後悔しちゃいそう”なんちゃってね!
【更改】
更改とは、当事者同士が契約で債権・債務の内容を変えてしまうことです。結果として古い債権は消滅して、新しい債権が誕生します。
ちなみに、第46号でやった代物弁済との違いは下を見てくださいね。
●代物弁済と更改 代物弁済では債権が消滅します。一方更改では古い債権が消滅して、別の新しい債権が誕生します。 例えば、1000万円の借金の代わりに棟方志功の版画を差し出して関係を終わらせるのが代物弁済。これに対し、1000万円の借金返済の変わりに将来ポルシェを譲り渡す契約を新たに合意するのが更改です。 |
更改のパターンは三つ。
1)給付内容の変更(上のポルシェの例)
2)債務者の入れ替わり(交替)
3)債権者の入れ替わり(交替)
2)と3)では当事者が交替するので、利害を調整したり、誰かに迷惑が掛からぬよう要件が定められてます。表の形で見ておきましょうね。
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例 |
決められる人 |
特筆事項** |
債務者交替 |
“あいつの負債は今後俺が引き受けるから任せろ” |
債権者と新債務者。旧債務者の承諾は不要* |
①旧債務者への通知で効力発生 ②後で新債務者から旧債務者へ求償できない。 ③後述する(免責的)債務引受けと類似性あり。 |
債権者交替 |
“今後は私があんたの債権者だからよろしく” |
新債権者と旧債権者と債務者(三者合意) |
①第三者に対抗するには確定日付の証書必要。 ②後述する債権譲渡と類似性あり。 |
*旧債務者の承諾不要は民法改正で変更になった部分です。
**特筆事項のところは追って説明したいと思います。
ピンクの部分、何となく常識で理解できますよね。例えば、債務者交替なら、新しい人が債務者になってくれるのだから、特に昔の債務者としては文句はないはず。だから昔の債務者の承諾は不要。これに対し、債権者交替なら、全然知らない人が新しい債権者として取立に来たら債務者としては困ってしまう。だから債務者を含めた三者の合意が必要とかね。やはり民法は常識人なんですよね。
●次回あと1回だけ、更改を見てから次のテーマに進みましょうね。
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