●今回は債務不履行のうちの「履行不能」ですが、その前に履行遅滞に関係したポイント(定期行為)をあと一つだけ付け加えておきます。
●クリスマスケーキは旬が命(定期行為)
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問:イブの日の夜Xさんは仲間を呼んでクリスマスパーティを計画、Yベーカリーにケーキの注文をし、当日夕方取りに行く約束をした。ケーキを取りに店を訪れたが、卵の不足で完成できないから翌日届けるという。
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答:クリ スパーティも終わって、皆が帰った翌日の寒々とした部屋、Xさんはケーキ屋さんから届けられた大きなケーキをどうやって処分すればよいのでしょうか。理論的に履行は出来ても事実意味がありません。その代わり期日を過ぎた時点で即刻(催告なし)解除できます。 この説例のように「一定の期日に履行しないと契約の目的を達することが出来なくなる行為」を定期行為といいます。クリスマスケーキは例として古典的なものですが、そのほかにもバースデーケーキやウェディングケーキ、葬儀社の花輪などバリエーションが盛りだくさんです。
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●さて、履行不能について見てみましょう。例によっていつもの表をまず見てくださいね。(ピンクで塗りつぶした部分が履行不能関係)
●債務不履行の3種類とそれぞれの場合の原則的な取扱い(民法改正反映版)
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債務者の取り得る手段
債務不履行の種類 |
履 行 |
解 除** いずれも債務者帰責事由不要(無過失責任) |
損害賠償 いずれも債務者有責が必要*** |
備 考 |
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履行遅滞 |
〇 |
〇 |
〇 |
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履行不能* |
× |
〇 |
〇 |
不能は締結前、締結後を問わない。 |
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不完全履行 (契約の内容に適合しない場合) |
追完請求権 |
〇 |
〇 |
解除や損害賠償ができないときは代金減額請求が可能。 |
*履行不能の場合は、履行の代わりに損害賠償を求めることが可能。
**解除は、1)債務不履行が軽微なときは解除できず、2)あくまで原則として解除に先立つ催告が必要(即刻の解除は履行不能の場合などそもそも催告の必要性がない場合しかできない)。
***金銭債務のみは損害賠償に債務者の有責性を要しない(無過失責任)。
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●履行がまったくできない履行不能 履行不能の例:Aさんは立派なケヤキの樹をBさんへ売却する契約を結んだ。搬入の前日、不注意から倉庫を燃やしてしまい、立派なケヤキの大木は立派なケヤキの墨と化してしまった。 |
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履行不能の効果:履行不能の結果生じた損害の賠償、または、解除(解除して損害の賠償を求めることも可)。 債務の履行が不能かどうかはこの設例のように分かり易いものもあればそうでないものもある。改正民法は、その場合「契約その他、債務の発生の原因や取引上の社会通念で決まる」とている。 説例ではBさんはこのケヤキの引き渡し(履行)が不可能になったことで履行に代わる損害賠償(この場合の損害賠償を填補賠償という。ここではケヤキに代わるケヤキ相当のお金)を請求できる。 |
●次回は債務不履行の三番目のパターン「不完全履行」に入りましょう。
本日やる気なーし、履行不能だっちゃ!
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