今回も履行遅滞の続き。前回載せたのと同じ表、便利だから載せときますね。いろいろある債務不履行の中で履行遅滞がどんなポジションかって見方でおさらいしてね。

 

●債務不履行の3種類とそれぞれの場合の原則的な取扱い(民法改正反映版)

債務者の取り得る手段

 

 

債務不履行の種類

履 行

解 除**

いずれも債務者帰責事由不要(無過失責任)

損害賠償

いずれも債務者有責が必要***

備 考

履行遅滞

 

履行不能*

×

不能は締結前、締結後を問わない。

不完全履行

(契約の内容に適合しない場合)

追完請求権

解除や損害賠償ができないときは代金減額請求が可能。

*履行不能の場合は、履行の代わりに損害賠償を求めることが可能。

**解除は、1)債務不履行が軽微なときは解除できず、2あくまで原則として解除に先立つ催告が必要(即刻の解除は履行不能の場合などそもそも催告の必要性がない場合しかできない)。

***金銭債務のみは損害賠償に債務者の有責性を要しない(無過失責任)。

 

●金銭債務に履行不能なく履行遅滞あるのみ

 

問:AさんはBさんから事業資金として100万円借りているが、取引先の倒産で返済ができなくなった。Aさん、「不可抗力だから自分に責任はない。債務不履行じゃない」と居直った。

 

 

 

答:そもそも金銭債務の不履行の場合には不可抗力という言い訳が認められません(金銭債務の無過失責任主義)。不可抗力だから履行不能ということはなく、履行遅滞があるのみです。お金は日本中どこにも存在しており、努力さえすれば調達できると考えます。ちょっと奇妙かもしれませんが、どこかに必ず存在しているはずのお金を期限どおり調達できないだけと考えられています。そして、履行遅滞が発生するので遅延損害賠償金を支払う必要があります。

 

 

●遅延損害賠償額(遅延損害金)の決まり方(参考)

利率の定めの有無

適用利率

(決定者)

備 考

なし

法定利率

(民法)

2020.4月時点では年率3%

3年ごと見直しあり。

あり

約定利率

(当事者)

法定<約定でも高い方約定)適用。

但し、民法以外で利息制限の上限規制あり。

*民法改正と共に商法上の法定利率は廃止、民法上の法定利率が適用されます。

●次回も履行遅滞、もう少しだけ見ていこうね。  

 

末、休息も必要だっちゃ、ね。

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