●今回から代理の大きな論点ごとに説明していくよ。論点って、1)代理権の濫用、2)無権代理と表見代理、3)基本代理権、4)無権代理と相続の関係ぐらいだけど、今日はそのうちの、1)と2)の半分、代理権の濫用と無権代理。
●例によって焦らずじっくり、ちょっとのんびり、でも、着実にやろうね。
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●代理権の濫用 例えば、代理人が本人の意思と異なり、自分や第三者の利益のために行為してしまうこともある。これが代理権の濫用である。濫用の場合でも、対外的に代理として取引した以上、その効果は本人に及ぶ。しかし、相手がそれを知っていたり、又は、知ることが出来た場合には、代理権のない者がした行為(=無権代理)とみなされ、その効果は本人に及ばない。 |
次回以降、表見代理について学ぶときに、代理権限の逸脱というケースも登場するけど、これと濫用を混同しないこと。以下2つの事例の違いに気付いてください。例1は濫用、例2は逸脱です。詳しくは表見代理のところで見てみようね。
例1:Aさんは、Bに自分の持ち家をCに売るよう頼み、売買契約の代理権を与えた。ところが、Bは売却資金を自分の借金の返済に充てるつもりでCに売却した。
→Bに売買契約の代理権自体はある。
例2:Aさんは、Bに自分の持ち家を貸し出すよう頼み、賃貸契約の代理権を与えた。ところが、Bは勝手に家をCに売却してしまった。
→Bには賃貸契約の代理権はあるが売買の代理権まではない。
上の囲みに書いたことを少し専門的に表現すると、代理権の濫用がある場合、原則有効で、本人にその効果が及びますが、1)相手が知っていたか(相手方が悪意*)、2)知らないことに過失があった場合(有過失)には本人に効果が及びません。
*ちなみに法律用語の「悪意」は事情を知っているという意味です。道徳的な悪意とは関係ないので注意してくださいね。
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●無権代理と表見代理 本人から代理権を与えられていないのに勝手に代理人として行為するのが無権代理。無権代理の効果は原則、本人には及ばない。そして、無権代理人は、義務の履行、または、損害賠償の責任を負う。 これに対し、無権代理には違いないが、取引の相手方に無権代理ではないと思わせるような原因を本人自身が作り出した場合が表見代理。表見代理では、本人に若干なりとも責任があるといえ、効果が本人に及ぶ。 |
●無権代理人の責任は損害賠償、または、履行責任
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問:甲は乙の代理人と偽って、乙の土地を勝手に丙に売却した。丙がこのことを知り、甲のもとへ直談判に出向いた。どうケジメを付けさせるか。 |
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答:甲は無権代理人なので、原則としては、契約の履行、即ち、乙にお願いして土地を本当に売ってもらう責任があります。そしてもしそれが出来ないならば、損害賠償の責任を負います。 では、原則でなく、例外として無権代理人が責任を免れるのはどんな場合でしょうか。まずは、本人自身がいいよと言っている場合(本人乙が丙に土地を売ってやるよと言ってる場合)、相手方がイノセントでなく保護に値しない場合(甲が無権代理であることを相手方丙が知っていた/悪意か、知っていて然るべきだった/有過失の場合)そして、無権代理人が制限行為能力者の場合(無権代理人甲が未成年者などの場合)などです。 思い出してください。民法はイノセントな者、そして、弱者には優しかったですよね。 |
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