●前回、代理のスタートアップ的なポイントをごくごく簡単に見ました。今回もスタートアップ的な部分の続きを少しだけ。
●代理は意思表示と並んで論点が多いから焦らずじっくり、頭の体操を楽しむ感じでやろうね。
●代理人に行為能力は不要
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問:未成年者Aは知人Bの代理人として1000万円のワンルームマンションを購入しようとしている。可能だろうか。 |
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答:代理人のした行為の効果は本人に及ぶのであり、代理人本人には及びません。したがって代理人が未成年者など制限行為能力者であっても代理人になることができます。行為能力の制限という制度は「未成年など弱者の保護」のためでしたね。未成年者が害されない限りは代理人にもなれるわけです。 |
☟☟☟会社法関係ない人はここ飛ばして構いません。
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他法先食い(会社法):成年被後見人と取締役 民法では、もともと成年被後見人である場合には代理人になれます。ただし、代理人があらたに成年被後見人になってしまうと代理権は消滅します(例:健常だった人が深刻なアルツアイマーを患ってしまう場合)。 ところで、会社の取締役と会社の関係は民法上の委任と考えられます。委任契約では委任された側(受任者)には代理権限が与えられる場合が多いです。取締役にも一定の代理権限があると考えられますが、会社法によれば、そもそも成年被後見人が(こうした代理権限がある)取締役になることはできません。 |
●復代理人の行為の効果も本人に帰属する
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問:Aさんはイタリア製家具の購入をアールデコ趣向が一致するBに依頼したが、BはAさんの承諾を得てCをさらに代理人にした。Cはイタリアまで出向いて家具を調達してAに届けたが、Aの趣味とはまったくかけ離れたモダンアートな家具を調達した。Aさんは代理人Bの趣味を尊重して家具を買おうと決めたのだから、こんな物は自分が買ったことにならないと主張できるか。 |
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答:代理人がさらに自分の代理人(復代理人)を選ぶ場合があります。Aさんには気の毒ですが「代理人の代理人」がした行為の効果は、あくまで本人(ここではAさん)に及びます。 |
●復代理人の選任の可否
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問:A子さんは未成年者B君の母親で法定代理人となっている。B君がバイクを購入する際に、A子さんは自分では機械のことは分からないのでCさんを代理人にしたいが可能か。 また、A男さんはB君の代理人としてバイクを購入することとした。ところが、骨折して入院してしまったので、代理人としての仕事をCさんに任せたいが可能か。 |
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答:法定代理人は常に復代理人を選任できるが、原則、全責任を負います(止むをえない事由があるときは別)。これに対して任意代理人は原則復代理人を選任できないが、本人の許諾や止むを得ない事由があれば選任できます。 |
☟前回やった法定代理と任意代理、少しおさらいしときましょう。
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言葉の窓:法定代理と任意代理 未成年者の代理人としての親権者(親)など、本人の意思でなく法律で代理権を与えられるのが法定代理。一方、委任契約などにより本人の意思によって代理権を与えるのが任意代理です。ごくごく大雑把に言えば、法定代理は代理人の意思に基づかず法律の規定により代理人を引き受けさせられるという性格、任意代理人は本人と代理人との信頼関係に基づいて引き受けるという性格の違いがあります。上の事例はこの違いを意識すれば分かり易くなります。 |
●本人が自ら復代理人を指名していても代理人が責任をとるのか?
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問:A男さんはB子さんの代理人としてバイクを購入することとした。ところが、骨折して入院してしまったので、B子さんに相談したところ、Cさんを代理人にして欲しいと言われた。Cさんが預かった金を持ち逃げしたがB子さんはA男さんに責任を問えるか。 |
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答:前問の通り、任意代理人は原則復代理人を選任できませんが本人の許諾や止むを得ない事由があれば選任できます。旧民法ではその場合、選任・監督の責任のみ負い、さらには、本人が復代理人を指名していた場合には、代理人は責任を免れるとされていました。しかし、改正民法ではこれが削除されました。任意代理人の責任範囲は代理の根拠となった委任契約などの内容をもとに個別に解釈されるものと思われます。 |
●その後は大きな論点ごとにまとめて説明していくよ。1)代理権の濫用、2)無権代理と表見代理、3)基本代理権、4)無権代理と相続の関係ぐらいかな。
何でも代理じゃなくて自分でやるときも必要だっちゃ。ねっ、そうでしょ。
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●日本赤十字社のウェブサイト
東日本大震災義援金
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