BUCK-TICKというバンドのヴォーカリスト、櫻井敦司さん(以後あっちゃん)が亡くなった。

訃報を知って、もうしばらく経っているけど、正直、hide以来のショックだった。

 

やはり、リアルに影響を受けたアーティストの死というものは、ファンの人もそうだし、俺みたいにバンドやるキッカケになったものにとっても大きいものである。

 

 

僕はかなりの田舎生まれ田舎育ち、中学生なったばかりだった当時、Mステなんかに出ていた激しい(それだけでは括れないけど、当時はヴィジュアル系という言葉もなかった)バンドと言えば、X(のちのX JAPAN)とBUCK−TICKくらいだったと記憶しています。

聖飢魔IIなんかももちろんいたけど、自分の中ではヴィジュアル的に別物という印象だった。

 

とにかく入りは主にその二つのバンドで、曲で言えばXはJealousyあたり、BUCK-TICKはJupiterだから、『狂った太陽』あたりからハマった。

 

BUCK-TICKの最初の印象は、Jupiterの間奏が終わった後からあっちゃんの歌い方が力強く少し激しくなるんだけど、子供ながらに柔らかく歌う印象だったバラードを激しく歌ってるのがめちゃくちゃカッコいいわけ。ルックスもさることながらですよ、直線的な眉毛に黒のロン毛でね。

 

余談ですけど、確かその時の今井さん、頬のB-Tの文字を顔の落書き、衣装をピーターパン見たいと生島ヒロシが言っていたと思う😅で、シングルバージョンはギターソロがなく、最後のサビでギターシンセみたいなキラキラした音でジャラーンってやるまで何も弾かないんだけど、それもめちゃくちゃカッコよかった。

 

 

BUCK–TICKの『Climax  Together』とXの『破滅に向かって』は、ギター買うためにやってた新聞配達と学校に行く時間の間ギリギリまで、VHSが擦り切れるくらい見たよね。

 

 

結構マニアックなんで、エピソード挙げ出すとキリがない、ので、もう一個だけに留めますが。

 

 

高校生の時、当時引っ込み思案だった僕がバンドで歌うキッカケになったのは、少年自然の家の帰りのバスの中で、思い切ってBUCK−TICKの悪の華を歌ったことだったんですよね。

 

最初のイィーヤァッ!!からほぼ完璧に歌えて、自分でも歌いながら、これオレの声か?って思いながら歌ってて、歌い終わった後、自分はヴォーカルでいけるなと、心のどこかで確信したという(笑)

 

 

まあとにかく、それだけ影響を受けたアーティストであったのです。

いや、過去形でなく、いまだに影響受けてる気がする。

 

オリジナルやり出した頃はパンクロックに傾倒してたので、影響を受けたことは人に話すことは減ってたんですけど、自分で歌うようになったからこそ、受ける影響というのもあって。

 

数年前にYouTubeで観た、あっちゃんが自分のコンセプトについて語っていたインタヴュー、訃報を聞いてからそれがずっと頭に浮かんで離れなくて。

 

 

(コンセプトを聞かれて)僕の中にあるとすれば、それは死ですね。一貫して、二十代の頃からずっと』

 

それが詩にどう現れているかという風に曲を聴くと、彼の表現としての歌がより自分の中で深みを増したのはそうですし、ひとりの人間として思うのは、死って怖いことだと思うんです、少なくともオレは。

その、あんまり触れたくもない、考えたくもないこと、だけど生まれた以上、その時から人は誰しも死に向かっているのは紛れもないこと。

 

あっちゃんがそれについて考え、詩や歌で表現するっていう事を、アーティストの端くれとして、一人の人間として、凄いことだなと思うんですよね。

 

前向きさって、見たくないとこは見ないで楽しいこと良いことに目を向けるって思いがちな気がしますし、それも一つの前向きさの在り方だとは思うんですけど、敢えてそこに目を向けて表現して、言葉として音楽として遺していく。

 

 

本当にショックな出来事でしたが、それ以上に歌う人として、一人の人間として、何か深いものを感じました。

 

 

富士急のコニファーフォレストで一回、ライヴ観ててよかった。ちょうどhideのトリビュートでDoubtをカヴァーしてた時期でしたね。

 

 

ご冥福をお祈りします。

 

 

ヴォーカル 櫻井敦司

ギター   hide

ベース   Taiji

キーボード 森岡賢

 

天上界ではこんなスーパーバンドもあり得るのかな、ドラムは誰だろう。